5節 マッチサマリー(リコー 8-23 NEC)

リコーブラックラムズ 8-23 NECグリーンロケッツ
【week5/2011年12月3日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

リコー 8-23 NEC   リコー 8-23 NEC   リコー 8-23 NEC   リコー 8-23 NEC
NEC、雨中のFW戦を我慢強さで制して、3勝目
土砂降りという表現そのままのような強い雨の中でゲームは始まった。
この天気の中、両チームとも、FW戦が試合のカギになるとして、ボールをあまり展開せず、FW戦にこだわるシンプルな試合運びをねらってきた。
前半3分、リコーがフリーキックから敵陣ゴール前に進み、3分間ほどFWでしつこく攻め続けるが、最後はNECがFLニリ・ラトゥのナイス・セービングで守り切る。一方、前半16分にはNECがゴール前15mのスクラムからFWが数次にわたるラック・モール攻撃をかけ、リコーFWのコラプシングの反則を誘い、PGで確実に3点を先取した。
さらに、NECは、前半20分に、リコーSO河野のキックをチャージしたボールを拾ったNECのWTB窪田が敵陣ゴール前までボールを運んだ。その直後の敵陣ゴール前でのラインアウトからFWのモールをゴールラインに押し込み、最後はFLニリ・ラトゥがボールを押さえてトライ(ゴール成功)、0-10とNECがFW戦での優位を得点につなげた。

前半28分リコー、33分NECと両チームそれぞれ、PGにより3点を加点し、得点が3-13となった後、リコーはターンオーバーで得たボールをHO滝澤の好判断でのキックでゴール前に攻め込んだ。35分、その直後のラインアウトからのモールをFWで押し込み、FL覚来がボールを押さえてトライを返した(ゴール不成功、8-13)。雨の中、両チームともキャプテンが好プレーを見せ、FW戦をリードしている。

ハーフタイムを過ぎ、雨もほとんど上がってきたが、ピッチコンディションはまだあまり良くなってはいない。NECはSOマッキンタイアーに加え新人のCTB田村も二人目のSOのような動きでバックラインをリードし、少しラインに展開するようになった。しかし、リコーも要所要所で好タックルを見せ、NECは後半12分にPGにより3点を追加できただけ(8-16)で、セーフティリードの点差には持ち込めない。
しかし、後半20分を過ぎるころからは疲れが出てきたのか、ラインアウトやスクラムのセットプレーでリコーFWにミスが出るようになった。後半26分過ぎからはNECが、再三、敵陣でペナルティを得て、ゴール前のラインアウトからモールで攻め込む。NECのFWが今シーズンのスローガン“BIG HEART"の通り、気持ちを一つにして押し込む。リコーのFWも全員でこれに対してよく守っていたが、後半36分、ゴール前のスクラムからNEC No.8土佐がサイドアタック、そこから数次にわたりFWでの執拗な攻撃を続ける。最後はラックから一瞬のスキを突いて新人LO村田がゴールに飛び込んだ。SOマッキンタイアーのゴールも決まり、8-23と点差を広げ、ノーサイドとなった。

雨中のFW戦をフィットネスと我慢強さで制したNECが、大事な試合をものにして、次節にはリーグ戦の首位を走る東芝ブレイブルーパスに挑戦する。(正野雄一郎)
会見ダイジェスト
リコーブラックラムズ
山品監督(右)、滝澤キャプテン
山品監督(右)、滝澤キャプテン


◎リコーブラックラムズ
○山品博嗣監督
「今日も雨の中、多くのファンの皆様がいらっしゃってくださり感謝しております。NECさんはFWのフィジカルが強いチームですので、そこに勝つことをテーマに戦いました。後半の最後もしっかり戦えていましたが、その前のエリアマネジメントの部分が良くなく、試合をコントロールされたことがこの結果につながったと思います」

──マア・ノヌー選手は?
「コカ・コーラウェスト戦で痛めましたが、来週は復帰できる見込みです」

──NECに対してのプランは?
「昨シーズンはFWでやられていたので借りを返すつもりで臨みました」

○滝澤佳之キャプテン
「非常に残念な結果です。キャプテンとして、個人的にはチャンスの時にミスをして、ゲーム選択でもミスをして反省しています。自分がしっかりしなくてはいけないと感じさせられた試合でした」

──ハンドリングエラー、ペナルティが多かったが?
「ボールが滑るということはなかったのですが、ペナルティが多かったです。自分たちのしたかった戦い方を相手にされたように感じます。チャンスで決定的なミスが出て、得点できなかったことが敗因です」

リコー 8-23 NEC   リコー 8-23 NEC   リコー 8-23 NEC   リコー 8-23 NEC
NECグリーンロケッツ
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン
岡村ヘッドコーチ(右)、ラトゥ キャプテン


◎NECグリーンロケッツ
○岡村 要ヘッドコーチ
「まず、雨の中、大勢のファン、サポーターの方がいらっしゃってくださったことに感謝します。リコーさんとはやはり強いタフなゲームになると準備してきましたが、グラウンドコンディションがこうでしたから、本当にタフなゲームになりました。チーム力も似ているし、意識している相手です。タフな状況の中で、選手がしっかり戦ったことに感謝しています。メンバーの表情を見ても、満足できる戦いだったと思います」

──田村選手の出来は?
「彼に限らず、若手の選手が非常にエネルギッシュにプレーしていて満足しています」

──前半、ノックオンが多かったが、ハーフタイムの指示は?
「ボールをしっかりキープすることと、オプションが3つあれば、一番シンプルなものを選ぼうということです。あとは、我慢しようと。それを実行できたところが選手の成長してくれた部分だと思います」

○ニリ・ラトゥ キャプテン
「今日はハードなゲームになると分かっていました。リコーさんは強さに満ちあふれたチームで、そのチームから勝利することができて、選手を誇りに思います。リコーさんの向かってくる気持ちに対して我々も同様に気持ちが出ていて、最後の10分間は自分たちのプレーを見せ続けることができました。勝利できたことは良かったし、チームもコーチングスタッフも全体的に満足しています。次週は最高の相手との試合が待っているので、頑張っていきたいと思います」

──後半30分過ぎからナドロ選手でトライを狙っていくこともできたのでは?
「コンディションがかなりウェットでした。私も長いことプレーしている中で、こういう日はFWの試合になると感じています。ドライの時にはナドロ選手を使うのも手ですね。今日は彼が入って、しっかりプレスしてくれているので良かったと思います」

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