ここを見るとラグビーは面白い – #01: スクラム

ラグビーのみかた。ここを見るとラグビーは面白い

#01: スクラム

text by H.Nagata

8人の大男同士の押し合いの中で起きていること

ラグビー場では、スクラムを押した、押されたでラグビー通のおじさんたちが一喜一憂。なんでそんなにスクラムが重要なプレーなのか?

スクラムとは、大男たちが並ぶFWの選手たちが8人対8人で組み合って押し合い、真ん中に投げ入れられたボールを奪い合う行為。
スクラムを組んでいるFWの選手たちの体重は800キロを超えるのが普通。8人の大男たちが塊となった重さがのしかかってくることになるフロントロー(スクラム最前列にいる1番2番3番の選手)は、自らの首と背中、腰、足の筋肉を使って重みに耐えることに。重みに耐えかねて地面に手をついたり膝をついたりするのは反則となる。

スクラムの優劣を判断するひとつのポイントがフロントローの背中。ピーンとまっすぐ伸びていることが比較的しっかりスクラムを組めている証拠と言ってもいい。

FWの選手たちは、スクラムが終わるとすぐに次のプレーに向かって走り出すが、押されてから走り出すのと、押し込んでから走り出すのでは勢いも違うし、負荷も違う。押しているチームは、精神的にも肉体的にもダメージが少なく、押されると当然その逆に。

もちろん、スクラムはBKプレーにも大きな影響を及ぼすことになる。スクラムが優勢で前に出られているチームは、BKの選手たちもそれだけ余裕を持ってアタックを仕掛けたり、DFでも相手にプレッシャーをかけやすくなる。
通たちがスクラムを押した、押されたで一喜一憂するのは、“その後のプレー”に大きな影響を与えるからでもあるのだ。

スクラムの攻防(ラグビーワールドカップ2011、9月21日の日本代表とトンガ代表の試合から)
スクラムの攻防(ラグビーワールドカップ2011、9月21日の日本代表とトンガ代表の試合から)
photo by Kenji Demura (RJP)

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