●セカンドステージ 第5節プレビュー
首位パナソニックはキヤノンとのリベンジ戦
注目の“府中ダービー"は5日、東京・味スタ
9月の対戦ではキヤノンに敗れた首位パナソニックにとっては進化を証明するリベンジ戦に(写真左はWTB山田) |
セカンドステージ唯一の関東での試合となる神戸製鋼。SOに正面を置く攻撃布陣で4強への挑戦権奪取を狙う |
|
昨季は1点差勝利で一昨季は3点差負け。今季の府中ダービーでの王者のパフォーマンスはいかに(写真はSHデュプレア) |
|
パナソニックに惜敗も、復調モードの東芝。府中ダービーでどんな戦いを見せるか(写真はCTB増田) |
年末年始のショートブレークを経て、4日、トップリーグが再開する。
11月30日から始まったセカンドステージは昨年末までに第4節が終了。残り3節、プレーオフスポットやワイルドカードトーナメント進出、あるいはトップリーグ残留を賭けて、どのチームにとっても1試合も落とせない激しい戦いが繰り広げられることになる。
土曜日には東京と大阪で3試合が予定されている。
東京・秩父宮ラグビー場で行われるのはグループAの2試合。
第1試合(12時)では現在首位のパナソニック ワイルドナイツと同6位のキヤノンイーグルスが対戦する。
ファーストステージも含め、現在8連勝中の好調パナソニックだが、今季唯一黒星を喫した相手がキヤノン(18-23=9月7日、ファーストステージ第2節)。
セカンドステージに入ってSH田中史朗、SOベリック・バーンズがハーフ団に定着してからは、激しいディフェンスとそこからのカウンターアタックの精度が上がり、連勝街道をひた走るパナソニック。
王者サントリーサンゴリアスに続いて、東芝ブレイブルーパスをなぎ倒した前節終了後、中嶋則文監督が「全員にマン・オブ・ザ・マッチをあげたい」と語るなど、チーム力が上向きにあるのは間違いないところ。
3季ぶりの頂点獲りが現実味を帯びてきたワイルドナイツの進化を確認するためにはかっこうのリベンジマッチとなる。
一方のキヤノンはセカンドステージ第1節でNECグリーンロケッツに競り勝った(22-19)後は3連敗。
現在の4位東芝との勝ち点差は8。プレーオフ進出の可能性を残すためには、是が非ともパナソニックから金星を奪いたいところ。
続く第2試合(14時15分)に予定されているのはNEC対神戸製鋼コベルコスティーラーズ。
セカンドステージに入って勝ち星のないNECに対して、神戸製鋼は2連敗の後2連勝と勢いを取り戻しつつある。
両者はファーストステージの開幕節で対戦し、その時は28-26で神戸製鋼が競り勝っているが、今回はNECが田村優、神戸製鋼は正面健司という、ここまでは別のポジションで起用してきた攻撃的SOを指令塔に据えての再戦となる。
共に上位進出のためには、4トライ以上を奪っての勝利がほしいだけに、いつも以上にアタック面を重視したラグビーが見られそうだ。
神戸製鋼にとっては、セカンドステージで唯一の関東圏での試合となる。
同日、大阪・長居第2陸上競技場で行われるのは、グループBのNTTドコモレッドハリケーンズ対クボタスピアーズの一戦。
現在、最下位に沈むNTTドコモとしては、自動降格を避けるためにも、同グループ首位に立つクボタを地元で破りたいところだ。
名古屋と福岡では地元チームが勢揃い
翌5日(日曜日)には、東京、名古屋、福岡で計5試合が予定されているが、何と言っても注目は東京・味の素スタジアムで行われる“府中ダービー"こと、東芝 - サントリー戦。
前々節、パナソニックに完敗した(13-42=12月14日)王者サントリーだが、前節ではトヨタ自動車ヴェルブリッツを49-7で圧倒。「ショックだった」(大久保直弥監督)というパナソニック戦敗戦から立ち直り、復調モードにあると見ていいだろう。
一方の東芝は前節、パナソニックに敗れた(12-14)とは言え、ブレイクダウンで圧倒する場面も多く、内容的には勝っていてもおかしくなかっただけに、手応えをつかんでの王者との対戦となる。
過去6年間のリーグ戦での対戦でも3勝3敗と全くの互角。今回も意地と意地がぶつかり合う、熾烈な試合となることは間違いないだろう。
同日、もう1試合予定されているグループAのゲームは愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場でのトヨタ自動車 - ヤマハ発動機ジュビロ戦(14時15分)。
現在3連勝中の3位ヤマハ発動機としては、セカンドステージでまだ勝利のないトヨタ自動車を圧倒して、トップ4の座を確固たるものにしたいところ。
トヨタ自動車は、4週間ぶりとなる名古屋での試合で浮上のきっかけをつかめるか。
名古屋市瑞穂公園ラグビー場の第1試合(12時)には、やはり地元愛知の豊田自動織機シャトルズも登場する。
1位から6位までの勝ち点差が6という混戦が続くグループBだが、首位クボタと勝ち点18で並ぶ豊田自動織機としては、勝ち点15で4位につけるNTTコミュニケーションズシャイニングアークスを地元で破り、ワイルドカードトーナメント進出(グループB4位以内)への道筋を確かなものにしたい。
一方、福岡・レベルファイブスタジアムでは、九州勢2チームのホームゲームとなる、コカ・コーラウエストレッドスパークス(勝ち点12)対近鉄ライナーズ(同17)、九州電力キューデンヴォルテクス(同6)対リコーブラックラムズ(同13)の2試合が予定されている。
(text by Kenji Demura)