●セカンドステージ 第3節プレビュー
秩父宮で東芝 - NEC、サントリー - パナソニック
神戸では神戸製鋼 - トヨタ自動車のサバイバル戦
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サントリー討ちのキーマンになれるか。パナソニックSOバーンズ |
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フロントローを三上、湯原、浅原のジャパン組で固める東芝はスクラムでも優位に立ちたい |
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NEC戦でハットトリックのサントリーWTB塚本は再びヒーローになれるか |
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SH矢富の復帰で攻撃武器が増えたヤマハ発動機は進境著しいキヤノンを迎え撃つ |
1ヵ月間のブレイクを経て、11月30日に始まったセカンドステージは早くも今週末に第3節を迎える。
11月のウインドウマンスに欧州遠征のため不在だった日本代表組のコンディションも戻り、まわりとのコンビネーションも良くなることが想定されるだけに、そろそろ各チームの真の実力が明らかになっていきそうだ。
今節、何と言っても注目なのが、グループAのダブルヘッダーが予定されている14日(土)の東京・秩父宮ラグビー場。昨季の4強のうち3チームと、ファーストステージで王者サントリーサンゴリアスを破ったNECグリーンロケッツが登場する。
正午キックオフの第1試合はセカンドステージ2連勝で勢いに乗る東芝ブレイブルーパスと、逆に連敗スタートとなったNECの対戦。
FLリーチマイケル主将が復帰し、ジュニア・ジャパンでも活躍した新人SHの小川高廣が先発に定着。さらに、元NZ代表CTBリチャード・カフイもベールを脱ぐなど、ファーストステージとはやや異なる骨格を持ったチームに生まれ変わり、トヨタ自動車ヴェルブリッツ、キヤノンイーグルスに連勝。
セカンドステージ初となる関東圏のゲームで、充実ぶりをアピールしたいところだ。
「フィジカルラグビーを目指して1ヵ月準備した」(和田賢一監督)成果が出ての2連勝だけに、同じようにフィジカル面で主導権を握ろうとするNECとの肉弾戦は本当に強い東芝が復活したのかの試金石になる。
NECはファーストステージからチームを引っ張ってきたFL浅野良太主将がメンバーから外れ、前節のサントリー戦ではLOで先発した権丈太郎がFLに回る。
常に体を張り続ける仕事人スキッパーの不在は痛いが、東芝にも敗れると4強入りが遠のくことになるだけに、フォワード陣の奮起が期待される。
続く第2試合には、ファーストステージのプールA/B首位チーム同士でもある、サントリーとパナソニック ワイルドナイツの大一番が組まれている。
ファーストステージ序盤戦は、サントリーが第3節でNECに敗れ、パナソニックも第2節でキヤノンに苦杯をなめ、第3節でもヤマハ発動機と引き分けるなど、やや不安定な面もあった両チームだが、セカンドステージに入ってからは盤石と言っていいパフォーマンスを見せて共に2連勝。
当然、優勝の行方を占う一戦と言ってもいいだろう。
サントリーは前節のNEC戦で3トライを奪ってマン・オブ・ザ・マッチに輝いたWTB塚本健太の活躍に象徴されるように、代表組がいなかった11月の1ヵ月間で若手がさらなる成長を見せ、チーム力の底上げがされたことはセカンドステージ最初の2試合の内容を見ても明らか。
戦術的にも、「コンタクトの力を生かしながら、ボールをどこに運ぶかという意味では、バリエーションが増えた」と大久保直弥監督が胸を張るとおり、以前よりも外のスペースをうまく使うことでアタックの幅が広がっている印象だ。
対するパナソニックは、セカンドステージからはSOに元豪州代表ベリック・バーンズが定着。
「我々のやろうとしていることを理解するようになって、対戦相手にとってどんどん難しい存在になっていくはず」と中嶋則文監督が期待するとおり、まわりとのリンクぶりが一戦一戦良くなっているのは間違いないところ。
前節のトヨタ自動車戦からはSHに田中史朗も復帰し、ハーフ団の判断力という意味ではリーグ随一。
「ディフェンスが良くなっている」(同監督)だけに、サントリーのアタックをいかに遮断して、得意のカウンターアタックにつなげていくことができるかが当然ポイントになる。
ヤマハ発動機 - キヤノンの4強をめぐる戦いも
14日にもう1試合予定されているのは、グループA1勝1敗同士のヤマハ発動機ジュビロとキヤノンの一戦(13時、静岡ヤマハスタジアム)。
どちらも、4強戦線に踏みとどまるには負けられない試合だが、ヤマハ発動機はセカンドステージ開幕節ではパナソニックに「最後の10分以外は支配された」(清宮克幸監督)内容での敗戦だったが、前節の神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦では強みのセットプレーで圧倒するなど復調モード。
セカンドステージから復帰のSH矢富勇毅は試合ごとに調子を上げ、パナソニック戦では帰国直後という悪コンディションのせいもあったのかゴールキックを外しまくったFB五郎丸歩も、神戸製鋼戦では7本中6本決めるなど調子を取り戻し、アタックの武器は間違いなく増えている。
キヤノンとしては、フォワード戦で互角に戦った上で、「(11月は)主にアタックの練習に費やした」(永友洋司監督)という成果が出たNEC戦のように、チャンスに一気にトライを取り切るスタイルで得点を重ねたいところ。
残る5試合は15日(日)に行われる。
グループA唯一のサンデーゲームとなるのは、兵庫・ノエビアスタジアム神戸(13時)の神戸製鋼 - トヨタ自動車戦。
共に、らしさが出ないままセカンドステージ2連敗。
この一戦に敗れた方の4強入りの可能性はかなり低くなるだけに、第3節にして早くもサバイバルマッチとなる。
一方、1〜4位のチームがワイルドカードトーナメント出場権を得ることになるグループBでは、2戦2勝で首位に立つクボタスピアーズがNTTコミュニケーションズシャイニングアークスと茨城・ケーズデンキスタジアム水戸で、同じく2勝で2位のコカ・コーラウエストレッドスパークスが豊田自動織機シャトルズと宮崎県総合運動公園陸上競技場で対戦。
また、京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では、リコーブラックラムズ対NTTドコモレッドハリケーンズ、近鉄ライナーズ対九州電力キューデンヴォルテクスの2試合が予定されている。
(text by Kenji Demura)