入替戦 マッチ&会見リポート(近鉄 28-8 横河武蔵野)

近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野
C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
マッチリポート
近鉄ライナーズ 28-8 横河武蔵野アトラスターズ
【入替戦/2010年2月13日(土) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】

花園で行われたトップリーグ入替戦は、リーグ戦11位の不本意な成績に終わった近鉄ライナーズと、トップイースト2位・トップチャレンジ2を首位で通過した横河武蔵野アトラスターズとの一戦。
関西のラグビーファンにとって、近鉄と横河との対戦は、2年前のトップリーグ開幕戦長居スタジアム以来となる。近鉄は残留を賭け負けられない、一方の横河も意地でもリーグ復帰を果たしたい思いの緊迫した雰囲気の中、試合が開始された。

前半風上の横河武蔵野は序盤、近鉄陣に攻め込むが得点に至らず、その後互いにエリアの奪い合いとなる。近鉄は横河ゴール前に再三攻め込むものの相変わらずのノックオンなどの拙攻が続き得点の機会を失う中、16分、ハーフウェー左中間付近でラインアウトモールから出た横河武蔵野の球を、SH9金がインターセプトし、50m走り切り左隅にトライ。難しい位置からのGKをSO10重光が決め7-0と試合が動く。前半はこの後、地力に勝る近鉄がWTB11四宮のキックリターンからの独走トライなど2トライ・2ゴールを追加、横河武蔵野は終了間際のPGのみで、21-3で前半を折り返した。

後半、互いに得点を挙げることができず、膠着状態に観客のフラストレーションが溜まりつつある中、24分、横河武蔵野がFB15佐藤のキックパスを右WTB14笠原がとり、右隅に初トライを挙げる。
この後も試合は互いのミスが続くなど得点に至らない状況が続くが、30分に近鉄がこの試合初めてともいえる組織的な攻撃からSO10重光が横河武蔵野のディフェンスのギャップを突き、この日2本目のダメ押しとなるトライを左中間に決め、28-8で近鉄が入替戦の勝利を決めた。

試合の印象としては、リーグ戦下位チームと地域リーグとの差はそれほど無いとも見られたが、残念ながら試合内容は平凡で、あまり見るべきものがなかったといえるのではないか。リーグ残留を果たしたものの、近鉄はなかなか企図した攻撃からの得点ができず、リーグ戦を通じてフィットネス、プレー精度、得点パターンの向上等、山積した課題について改善されることなくシーズンを終えた。(大阪府協会 山林右二・蜷川善夫)

近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野

会見リポート

ラファイアリ ヘッドコーチ(右)、藤山キャプテン
ラファイアリ ヘッドコーチ(右)、藤山キャプテン

◎横河武蔵野アトラスターズ
○レオ・ラファイアリ ヘッドコーチ
「昇格できなかったことについて、落胆している。プレーヤーはよくやったが、勝利には、スタミナ面、メンタル面とも、ひとつ足りなかった。来シーズンに向けては、全ての面でタフネスでなければならず、なにより課題を前向きに、ひとつひとつこなしていく必要がある」

○藤山慎也キャプテン
「今日のゲームといい、トップイーストのヤマ場(NTTコミュニケーションズ戦)といい、厳しい場面で力を発揮できなかったことは、今の横河を象徴している。厳しいゲームを数多く経験することで、チームは成長するが、今季はそうしたゲーム経験が少なかった。来季に向けては、練習時からそうした厳しさを持って臨めるかが課題である」

近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野   近鉄 28-8 横河武蔵野

近鉄ライナーズ
スローン ヘッドコーチ(左)、トンプソン キャプテン
スローン ヘッドコーチ(左)、トンプソン キャプテン

◎近鉄ライナーズ
○ピーター・スローン ヘッドコーチ
「リーグ終了から入替戦まで、5週間ほど間隔が空き、調整が難しかったが、残留を決めることができ、嬉しい。ただ、入替戦に臨まなくてはいけない事態を招いたことは、反省すべき点だ」

──今季、成績不振だった原因は。
「SOマクドナルドを始め、CTB吉川やFB高の怪我で、チームプランが大きく狂ったのが要因だ。来季に向けては、チーム予算をにらみながら補強を進めるが、現有戦力では、若いプレーヤーも多いので、まずはフィットネスを高めるとともに、練習試合を数多く組み、彼らに経験を積ませることで、更なるレヴェルアップを図っていきたい。余談だが、シーズンを通じてマスコミ諸氏には、温かく、建設的なご意見をいただいた。世界を見回しても、日本のマスコミは穏やかに対応してくれたので、非常に感謝しているよ」

○ルーク・トンプソン キャプテン
「まず、残留を決めることができ、ホッとしている。ヘッドコーチの感想と同じで、今日のゲームまで、5週間の調整には苦心した。来季に向けては、若い力を伸ばし、チーム力を底上げすることが第一であり、それに向かって努力していきたい」

RELATED NEWS