トヨタ自動車ヴェルブリッツ 52-0 リコーブラックラムズ
【week13/2010年1月9日(土) at大阪・近鉄花園ラグビー場】
プレーオフトーナメント進出を既に決めリーグ4位のトヨタ自動車、対するリコーはリーグ12位でこの試合に勝てば、ワイルドカード進出の可能性があり、負ければトップチャレンジの挑戦を受けなければならない大事な一戦。
試合が動いたのは、前半早々の1分、トヨタ自動車が22m左中間ラックから右展開し、SO10番アイイからCTB13番 山内、再びアイイに戻した後FL7番 中山が中央にトライを決めあっさりとトライを奪い試合の主導権を握る。一方のリコーはゴール前まで攻め込むが反則を犯したり、ラストパスが通らずゴールを割ることができない。前半は、この後トヨタ自動車が3トライ・3ゴールを挙げ28-0と一方的な試合展開となった。
後半、リコーは反撃の糸口さえ見出せず、防戦一方の試合展開で、密集に人数をかけボールを確保する間に、BKラインが手薄になる。優位に立つトヨタ自動車はリコーとは逆に密集を少人数で支配し、常にディフェンスラインが整備できており、また個々のプレーヤーがボールに対し積極的に働きかけ、後半も4トライ・2ゴールを挙げ52-0とリコーを零封した。
リコーもノーサイドホーンの鳴った後、1本トライを奪うため執拗に攻撃を加えるが、ゴールラインを割ることができず、12位でトップチャレンジ戦に臨むこととなった。
MOMには、トヨタ自動車13番 山内選手が選ばれた。(大阪府協会 山林右二・蜷川善夫)
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◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン ヘッドコーチ 「怪我をしているベテラン選手が多いというせいもあるが、今日の試合は意識して若手を起用した。今シーズンは若手を育てるということをテーマにしてきたが、その結果トップリーグの経験のなかった若い選手がずいぶん成長してくれた。来シーズンを楽しみにしている。
ところで、今日の相手のトヨタだが、シーズンの後半、めきめきと力をつけてきて、プレイオフや日本選手権でも優勝を狙えるレベルに達しているように思う」
○滝澤佳之キャプテン 「こういうラグビーをやろうと練習してきたことが、まったく出せないままに終わってしまった。結果として点差が大きく開いてしまったが、これが今の我々の力ということだと思う」
──入替戦になるが、どう闘うのか?
○ローデン ヘッドコーチ
「我々は、他のチームと違って日本人中心の編成で、トップリーグ・レベルで闘えるチームづくりを目指してきた。確かに今日の出来は良くはなかったが、チームの力は確実に上がっており、また、どのようなハードワークにも耐えられるチームになってきた。鍛えなおして入替戦に臨みたい」
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◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○石井龍司監督 「ボーナスポイントを獲得して勝つというのが今日の目標だったので、大変うれしい。また、ノートライに抑えたことは高く評価したい。しかし、まだ細かいミスが目につくので、その点修正してプレイオフに臨みたい」
○麻田一平キャプテン 「監督の言うとおり、ノートライに抑えたことは評価できると思う。特に後半攻め込まれながらも耐えきったことは大きい。しかし、その反面、課題も多く見つかった、DFの綻びやトライを取ろうとして取りきれないこと、ブレイクダウンでのプレイの精度を高める必要があるというようなことだが、こういった点をしっかりと修正してプレイオフにチャレンジしたい」
──リコーをノートライに抑えきれたのはなぜか?
○麻田キャプテン
「トヨタは内側に切れ込まれると、そのエリアのDFが強くないので、何度も抜かれてしまった。それをなぜ抑えきれたかというと…」
○石井監督
「難しい問題だが、相手をノートライに抑えてやろうというトヨタの意識の高さが一つの要因だと思う」
──プレイオフに向けてチームをどのように整備していくのか?
○石井監督
「今日の試合、前半タックルが甘かったので、ハーフタイムで引き締めた。DFが組織的に崩壊するようなことはないが、個人のスキルの甘さが出ることがある。この点は改めたい。また、アタックでも自分本来の役割を忘れて個人プレイに走ってしまうことが見られるので、この点も修正したい」
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