2009.12.08 [TUE] 協会リリース Twitter Facebook Google+ LINE 9節 マッチ&会見リポート(近鉄 13-26 神戸製鋼) C:2009, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) 近鉄ライナーズ 13-26 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 【week9/2009年12月6日(日) at大阪・近鉄花園ラグビー場】 前節、リコーに対し、終盤得点を奪うことができず惜敗し、リーグ戦11位と後退した近鉄ライナーズと、三洋電機に完敗し、リーグ戦6位の神戸製鋼コベルコスティーラーズ。今年は、橋下大阪府知事を近鉄花園ラグビー場に迎えての阪神ダービー。 前半、先手を取ったのは熱狂的なファンの応援を背に受ける近鉄。3分、18分とSO10大西がPGを着実に決め、6-0と試合を優位に進める。しかし近鉄は、25分、レフリーの再三の注意にもかかわらずゴール前でのスクラムのコラプシングにより、ペナルティトライを犯し、6-7と逆転を許してハーフタイム。前半は、両チームともゴール前まで迫るも、近鉄はラインアウトミス、神戸はBKラインのノックオンなど、肝心なところでミスが重なり、今ひとつピリッとしないゲーム展開。 後半、スクラムの優位を背景に、神戸が先制。3分、ゴール直前の右中間ラックから、NO8鈴木が中央にトライを奪い、9分にもNO8鈴木が右隅にトライを奪って6-19と近鉄を突き放しにかかる。対する近鉄も、リザーブ選手を次々と投入し、終盤の巻き返しにかかる。これが功を奏したか、19分、ゴール前のラックから右へ展開してFB角濱が右中間にトライ(ゴール)。13-19と6点差に追い上げ、逆転勝利を期待する近鉄ファンのボルテージも次第にヒートアップする。これを受け、執拗にトライを奪いにかかる近鉄であったが、神戸の固いディフェンスにゴールラインを割ることはできない。ノーサイドホーンが鳴った後もゴール前で再三にわたり必死の攻撃をかけるが、22mL中央付近で痛恨のノックオン。逆に神戸SO10菊池に80m走り切られ、万事休した。試合は13-26で神戸が制し、橋下・大阪府知事から阪神ダービー勝利者杯が贈られた。MOMは山下選手。(大阪府協会:山林右二・蜷川善夫) スローン ヘッドコーチ(左)、トンプソン キャプテン ◎近鉄ライナーズ ○ピーター・スローン ヘッドコーチ「近鉄としては、前半のペナルティ・トライは痛かったが、ハーフタイムではどちらが勝ってもおかしくない展開だった。近鉄は後半最後のところで逆転を狙ったが、攻めきれず、逆に神戸製鋼にトライを返された。勝点を1点もとれずに敗れたことは、大変残念だ」 ○ルーク・トンプソン キャプテン「今は言葉もない。タフな試合で、これだけ頑張って勝点がないというのは、悔しい」 ──神戸製鋼との差は、大きなものではないと思うが、どのあたりにあると思うか? ○トンプソン キャプテン 「近鉄の小さなミスが神戸製鋼にはずみをつけてしまった。そして、近鉄のゲームプランの通りの試合ができずに終わった。 ──キッキング・ゲームの中でFBの高選手を前半で入れ替えざるを得なくなったのは痛かったのではないか? ○スローン ヘッドコーチ 「一人の優れた選手が入れ替わっても、その分全員でカバーするのがラグビーだ。その意味で影響はなかったと言いたい」 ──劇的な試合が続くものの今日も結果としては勝つことができなかった。どこにその原因があるのか? ○スローン ヘッドコーチ 「シンプルな質問ではあるが、答えるのは難しい。近鉄もチームとしては、改善されてきたが、そのいいスタイルのプレイが長く続かない。チームの全員が一人一人自分の役割を認識してプレイするということがまだできていないように思う。ラグビーというのは一瞬・一瞬、一インチ・一インチを争うゲームだ。全員がこの認識を持ってたとえ一歩でもより前に出ることを心がければ、また違ったプレイができるようになると思う」 平尾GM兼総監督(左)、松原キャプテン ◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ ○平尾誠二GM兼総監督「内容的には決していい試合とは言えないが、勝点5を獲得した結果をよしとしたい。前半は神戸製鋼にもチャンスからの攻め方とかがうまくいっていなかったが何とかリードして、後半は神戸製鋼が守りきったという試合だ。中身はともかくとして、「熱い」試合をお見せできたのではないかと思う」 ○松原裕司キャプテン「個々のプレイを見ると改善するべき点も多いとは思うが、前節の三洋戦での敗戦を受けて、『ドロ臭く行こう』とチームの中で話し合った。その意味では納得のいく試合だったと思う」 ──メンバーを前節から大きく変えたように思うが? ○平尾GM兼総監督 「基本にはここ1、2年で選手層が厚くなってきたということがある。今日に関して言うと、一つにはDFが気になっていたことと、今一つは、近鉄がCTBで攻めてくるということがあり、8、9、10のところを中心に選手構成を変えた」 ──前半のペナルティ・トライだが、スクラムの選択に何かこだわりがあったのか? ○松原キャプテン 「近鉄は、前半リードして終えたいという気持ちがあったと思う。そこで真っ向からの、いわば『打ち合い』を選択した」 ──阪神ダービーということについての選手の意識は? ○松原キャプテン 「関西の各チームは、神戸製鋼相手だといつも以上の力を入れてくるように思うので、とにかく勝とうという気持ちだった」