リコーブラックラムズ 12-61 ヤマハ発動機ジュビロ
【week6/2009年10月18日(日) at埼玉・県営熊谷ラグビー場】
快晴の熊谷ラグビー場、冬場には強い風が吹くが、この日は殆ど風の無い観戦日和だった。
先制したのはヤマハ発動機ジュビロ、前半7分にリコーの反則からのタッチキックは、右のコーナーフラッグぎりぎりでタッチを割るかに見えたが、リコーブラックラムズがグラウンド内に戻し、キックで逃げようとしたところをヤマハのFL小林訓也がチャージし、インゴールに転がったボールを押さえてトライ。ゴールも決まり7-0。
その後も、CTBジョシュア・レヴィとWTB中園真司らのバックス陣が、トライを重ね26分までに26-0とリコーを圧倒。
リコーは、31分にようやくWTB小吹祐介が、そして34分にはWTB小松大祐が縦に突破する反撃のトライで26-12とするも、38分にヤマハWTB中園が力強いランニングで2本目のトライを右中間に決め、ゴールも成功し、リコーに傾きかけたゲームの流れは、ヤマハがきっちり取り戻し点差を21点と広げて折り返した。
後半も、1分にCTBジョシュアのパスインターセプトから先にヤマハが得点する。リコーにつけ入る隙を与えない。8分にSO太田尾竜彦のショートパントを又しても、CTBジョシュアが押さえこの日4トライ目を上げると、今度は、SH矢富勇毅が相手陣22m中央付近のラックから右に展開すると見せかけて、一瞬できたスペースを縦に突き、そのまま右中間にトライ。そして26分にはSO太田尾からの2人飛ばしのパスが見事にWTB中園に通り、中園の3本目のトライを演出した。
最終スコアは61-12。ヤマハの完勝だった。
リコーとしては、いかにして相手陣に入るかを考えたと思うが、ゲインした後のブレークダウンで味方のサポートが遅れ、ノットリリース・ザ・ボールの反則を取られたり、攻め込んでも、すぐに相手ボールとなり、相手陣に入るチャンスを自ら潰してしまった。
一方、ヤマハは、矢富、太田尾のハーフ団で、ボールを大きく・速く動かして、CTBやWTBを思い切って走り込ませる、シンプルな戦法が際立った。走り込んでボールを貰うことの大切さを改めて教えられた気がする。(木村茂和)
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ローデン ヘッドコーチ(左)、池田キャプテン
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◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン ヘッドコーチ 「集中力というところで学ぶところがとても多かった。トップリーグで戦うためには集中力がとても大事。毎週その集中力を持続することが重要だと感じました」
──後半から入った星野選手には自陣からでも攻めるように指示をしたのでしょうか?厳しいところでターンオーバーを許す場面もありましたが。
「私たちの指示です。今日の試合に関しては前半に得点を与えてしまったので、ボーナスポイントを狙っていきました。リスクのあることは分かった上ですが、若さもあったのでしょう」
○池田渉キャプテン 「ヘッドコーチの言ったとおり、集中力を保って戦わなくてはならない厳しさを感じたことと、勝ち点を取れなかったことが反省すべきことです」
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シューラー監督(右)、山村キャプテン
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◎ヤマハ発動機ジュビロ
○ケビン・シューラー監督 「今日はヤマハにとって大事な試合。今まで80分集中できた試合がなかったが、今日はよかった。FW、BKのバランスもよかった」
──レヴィ選手をここ2試合、起用した理由は?
「ひとつには大田尾選手と二人でにゲームメイクができるという点。また、自らの突破力もあるので」
──後半、BKは松下選手、佐藤選手が入ってポジションが変わったが。
「それぞれにいろいろなポジションができる能力があるので、いろいろなオプションが考えられます。矢富選手がWTBに回ったが、佐藤選手のWTBも考えていました」
○山村亮キャプテン 「ここ2試合、60分はよかったが、残り20分でトライをとられたり、うちのラグビーができなかったが、今日は試合開始からノーサイドの笛が鳴るまで自分たちのラグビーができ、内容はよかったと思います。課題を克服して勝ち点5も取れたので、次の神戸戦、気を抜くことなく勝利を目指したいと思います」
──マン・オフ・ザ・マッチのレヴィ選手、サモア地震への募金などもあったようですが、今日は特別な気持ちもあったのでは?
「そう意気込むこともなく、いつも通り、彼らしくリラックスしていました。それがチームにも良い影響をもたらしていたと思います」
──開幕から波に乗れなかったが、どのような改善をして今日の勝ち点5につながったのか。
「ここ数試合、アタックに関しては良い手ごたえがありましたが、残り20分となったところのディフェンスに課題がありました。今週はそのディフェンスにフォーカスして練習してきたので、それが試合に出たと思います」
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