2009.11.02 [MON] 協会リリース Twitter Facebook Google+ LINE 7節 マッチ&会見リポート(近鉄 26-24 NEC) C:2009, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) 近鉄ライナーズ 26-24 NECグリーンロケッツ 【week7/2009年10月24日(土) at大阪・近鉄花園ラグビー場】 前節、東芝に大差で敗れた近鉄は地元花園で必勝を期す。一方のNECも九州電力に借敗し、何とかリーグ戦下位から浮上したい。 前半両チームとも得点をあげることができず、中盤の28分になってようやく試合が動き、NECが、ゴール前右中間スクラムから左展開し、近鉄ディフェンスを振り切って、FB15番・吉廣が左中間にトライを挙げる。その後も、NECは近鉄のミスに乗じ、ラインアウトのこぼれ球をFL7番・ラトゥがトライ。また、37分にも近鉄BK陣のキック処理ミスに乗じて右WTB14番・窪田が右隅にトライ。前半を0-17とNECリードで折り返す。 後半に入って、先手を取ったのは近鉄。NECの反則に、SH9番・金が素早く反応し、自陣22mから大きく前進してWTB14番・四宮に繋ぎ、トライを挙げる。一方、NECも27分にゴール直前左中間ラックから、替わったSH20番・藤戸が持ち出し、FL6番・権丈が中央にトライして、5-24と突き放しにかかる。近鉄の終盤の頑張りに花園のファンは期待を寄せる。 その熱のこもったファンの応援に応えるかのように、30分、ゴール直前右中間ラックからCTB12番・イエロメが強引に持出して左中間にトライ。SO10番・大西がゴールも決めて、12-24と追いすがり、本拠地の観客は否が応でも勢いづく。近鉄はこの声援に応え、33分、ゴール前12m中央ラックから右展開し、右WTB14番・坂本がトライ。大西がゴールを決めて、19-24とワントライ差まで迫ると、終了直前の39分には、ゴール直前左隅ラックから、入替わったPR16番・重枝が、ラックから持ち出し、左コーナーポスト際にトライを挙げてついに同点。そして最後は、難しい位置からSO大西がゴールキックを決め、26-24で劇的な逆転勝利を収めた。 MOMには、大西将太郎選手が選ばれた。 岡村ヘッドコーチ(左)、熊谷キャプテン ◎NECグリーンロケッツ ○岡村要ヘッドコーチ「我々は、後半の残り20分というところで泣かされてきている。今日の試合も、この20分さえ戦えきれていればという残念な結果となった。選手達ももちろんそのことを分かって、良くやってくれているのだが、そのとおりに実行できるだけの力が今の我々にはないということなのだろう」 ○熊谷皇紀キャプテン「後半に入る時に、後半こそ力を入れてやっていこうと話をしたのだが…近鉄は予想通り後半は前半とは違う戦い方をしてきたが、我々の方が“受け"に回ってしまった。最後の詰め方を我々も練習しているのだが、反則で返された。非常に悔しい終わり方の試合だ」 ──攻めていてターンオーバーされて、後1~2分のところでひっくり返されている、どこに問題があると思うのか? ○熊谷キャプテン 「やるべきことはやったし、チームの意思統一もできている。プレッシャーを受ける中でどうしていくのか…考えているのだが…今は言葉にならない」 スローン ヘッドコーチ(左)、大西ゲームキャプテン ◎近鉄ライナーズ ○ピーター・スローン ヘッドコーチ「素晴らしい結果の試合となった。ハーフタイムで、後半は、ハイパント処理など自信を持ってプレイするように指示した。選手たちは、その指示通りに近鉄らしいファイティング・スピリットを出して戦ってくれた。ファンの皆さんにも喜んでもらえたと思う。最後のGKのときには、外して同点に終わったヤマハ戦を思い出したが、大西キャプテンはよくコンバージョンを決めて、勝ち点の5をもぎ取ってくれた。キャプテンを誇りに思う」 ○大西将太郎ゲームキャプテン「沢山のファンから盛大な応援をいただいた、まずお礼を申し上げたい。前半は、近鉄らしさが全く出せなかったので、後半は気持ちを切り替えて、いいラグビーをしようと話をした。NECは、現在は調子を落としているが、本来実力のあるチーム、しかし、我々は、一本ずつ取り返し、そして最後に追いついた。勝利を決めたGKはワールドカップのときのことを思い出して集中するようにした。勝ってウインドウマンスを迎えられたことは大変うれしい。この勢いを後半に繋げたい」 ──後半、何時頃から近鉄らしさが出てきたのか? ○大西ゲームキャプテン 「それさえ分かれば全てが解決する。前半最初からそうするよ(笑)。いつからオンになるのか、実際のところ自分でも分らない。点差が開いてからかな(笑)」 ──最後のGKのプレッシャーは? ○大西ゲームキャプテン 「FBの高が足を痛めたので、途中からキッカーを変わった。僕自身タッチを切るべきPKのミスをしたりしたが、何とか挽回して、チームに貢献したかった」 ──シーズン前半を終えて、近鉄チームの長所・短所をどのように捉えているか? ○スローン ヘッドコーチ 「セットプレイはかなり良くなってきたし、ブレイクダウンでの攻防もずいぶん改善されたと思う。そこからの継続ということが次の課題だ。何より選手一人一人が自信を持ってプレイすることが一番大事だ。これが勝利につながる。それから、トンプソン、マクドナルド、吉川といった主力選手が怪我で戦列を離れているのは、やはり大きい。ウインドウマンスの明ける11月終わりにはこれらの選手が復帰してくれることを期待している」