2009.10.13 [TUE] 協会リリース Twitter Facebook Google+ LINE 5節 マッチ&会見リポート(神戸製鋼 27-24 NEC) C:2009, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 27-24 NECグリーンロケッツ 【week5/2009年10月11日(日) at兵庫・神戸総合運動公園ユニバー記念競技場】 4分、神戸製綱がNEC陣22mラインでラックを形成、ラックから出たボールをつないで、SH後藤→SO菊池→CTB今村とつないで、最後CTB13今村が相手ディフェンダーにつかまりながらも左隅に倒れこんでトライ。(G不成功5-0) 7分、神戸製綱SO菊池が、ハーフウェイライン付近より右サイドへロングキック、そのボールをWTB14大畑がさらにインゴールへグラバーキック、そのまま右隅へトライ。(G不成功10-0) 序盤は神戸製鋼ペースも、コンバージョンの連続ミスはここ近年の課題である得点力不足が解消されていないことを露呈してしまう。10分、NECは、神戸製綱の反則から22m付近中央のペナルティゴールをSOヤコが決め、3点を返す。(10-3) 27分、NECが神戸製鋼陣ゴール前中央ラックから右展開、最後はWTB14窪田が右隅へトライ。(G不成功10-8) 34分、神戸製鋼陣内22m右ライン付近のラックで、神戸製綱がハンドの反則。PGを選択したNECはSOヤコが難なく決め、10-11と逆転し前半を折り返す。 後半もNECペースでゲームが進み、NECのプレッシャーに堪らず反則を繰り返した神戸製綱は、41分、48分とPGを決められ、点差を拡げられる。(10-17) 55分、NECは、神戸製鋼陣22mライン付近ラックから右にラインを敷いていたBKへ細かく繋ぎ、最後はWTB14窪田が右隅にトライ。(G成功10-24) 早く点差を詰め、勝利への可能性を繋ぎたい神戸製鋼は、59分NEC陣内ゴール前5m中央付近ラックからSH9後藤から途中出場の元木→CTB12山本へ繋ぎ、そのまま左隅へトライ。(G成功17-24) しかしゲームの流れはややNEC。幾度となく神戸製鋼陣内に迫り、チャンスを窺うもトライに結びつかず。62分には自陣5m中央付近からSOヤコがPGを狙うも不成功。FW戦で優勢ながら、攻めあぐねている感が窺える。 70分、自陣22mライン付近でNECが反則を犯す。PGを選択した神戸製綱はFB15デルポートが決め20-24。劣勢ながら流れを少しずつ引き寄せる。 攻めることでボールをキープ、勝利の糸をたぐり寄せたいNECは、神戸製鋼陣内で執拗なFW戦を展開するも、78分神戸製綱陣内22m付近で反則。素早くリ・スタートしたSH後藤から元木に繋がったボールは、ラストパスを受けたCTB今村の50m以上の激走により、逆転トライを生んだ。(G成功27-24) ブレイクダウンの攻防や組織プレーで、神戸製鋼を上回っていたNECだが、出来が悪くても"それなり"の展開に持ち込める神戸製鋼の"老獪さ"とワンチャンスに力を発揮できる今村の勝負強さに負かされたとしか言いようのないゲームであった。(望月 康平・廣島 治) 岡村ヘッドコーチ(左)、熊谷キャプテン ◎NECグリーンロケッツ ○岡村要ヘッドコーチ「非常に悔しい、こんなに悔しいゲームはない。この一言につきます。 最初の10分で浮ついた気持ちか、あるいは構造的な問題か、2本とられた。しかしその後はNECが勝ちパターンに戻ってくれて、そのことに関してはうれしかった。しかし最後のプレッシャーで勝ち切れなかった。 どのチームもプランやストラクチャーはある。エリア+時間、それに点差との兼ね合い、そういったヤマのところで悩んだりとかで統一感がなかったと思う」 ○熊谷皇紀キャプテン「最初の2トライは受けてしまったが、風上で相手陣で仕掛けて行ってやりたいプレーはできた。しかしラインアウトなどでの精度は甘かった。後半の最後は点差、時間を考えながらやっていたが残念、悔しいです」 ──神戸製鋼について? ○岡村ヘッドコーチ 「神戸さんはこちらが穴をつくってしまうと、そこを攻めてくる。隙がないチームで、伝統的にそういったいいものが残っているチームだ」 ○熊谷キャプテン 「特に意識はしていません、ただ、負けられない相手だなと思う」 平尾GM兼総監督(左)、松原ゲームキャプテン ◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ ○平尾誠二GM兼総監督「見ての通りという感じ。最後はツイテいたが、内容はほめられたものではない。しかし5点(勝ち点)を取ってくれたのは感謝している。2トライ取った後にチャンスがあるのにゲームの作りがよくなかった。簡単にテリトリーを取られたりと少しプレーが軽くなった。後半は攻められたのによくしのいだ。内容は良くないが、結果的にこうなるのは力があるのかなと思う」 ○松原裕司ゲームキャプテン「NECさんとはいつもこういった感じのゲームが多い。いい流れが最後に神戸製鋼に来た。後半は点差を詰めていって最後にひっくり返す作戦で、いいプレッシャーを与えられたと思う」 ──2トライとった後の失速の原因は? ○平尾GM兼総監督 「その後、ラインアウトでチャンスがあったのに軽く点を取りに行き過ぎた。モールでだめならと、切り替えができない。時間をかけてトライを取るラグビーも必要、簡単に取れる雰囲気があったのかもしれない」 ○松原ゲームキャプテン 「最初の2トライは我々が何かしたというより、『こんな感じで2トライ?』というびっくり感、後半のトライとは質がちがう。盛り返され、開き直ったところで最後のトライが出た」 ──大畑選手と元木選手の交替は? ○平尾GM兼総監督 「大畑と元木をチェンジするプランではなかったが、大畑が脇腹を痛め、後半は元木を入れるつもりだったので入れ替えた。 元木は前回からリザーブで、いい意味でチームを引っ張ってくれるし、うちは縦に抜けるBKがいないので、流れを変える意味で、新鮮な(新鮮かな?)元木を入れた(爆笑)」