13節 マッチ&会見リポート(東芝 62-13 三洋電機)

東芝 62-13 三洋電機 東芝 62-13 三洋電機 東芝 62-13 三洋電機 東芝 62-13 三洋電機
マッチリポート
東芝ブレイブルーパス 62-13 三洋電機ワイルドナイツ
(week13/2009年1月18日 at東京・秩父宮ラグビー場)

風がほとんどない曇天の下、12,400人ものラグビーサポーターが今シーズンのリーグ戦1位・リーグ戦2位を決める東芝ブレイブルーパス対三洋電機ワイルドナイツの試合に集まった。両チームともに赤がチームカラーであり、サポーターの振る旗でスタンドが赤く染まる。
最初に、白のセカンドジャージーに身を包んだ三洋電機ワイルドナイツのフィフティーンが出てくると、続いてファーストジャージーの東芝ブレイブルーパス フィフティーンがピッチに登場、サポーターにプレゼントを投げたあと、ポジションに着き、キックオフ。

先に相手ペナルティにより得点を入れたのは三洋電機だった。
しかし、10分には、東芝が10番 ヒルと11番 ロアマヌの絶妙なクロスパスから14番 廣瀬がトライ、ヒルのコンバージョンが成功し逆転。先週のサントリー戦からの勢いを継続させるように、15分にもトライを取り14-3とリードを広げた。
三洋電機も22分には11番 吉田のチップキックを13番 が取りトライチャンスとなるが、ノックオン。逆に東芝は、26分にラックから・仙波がトライ、33分には三洋ボールラインアウトのボールを取ると、6番 ベイツを軸に確実にゲインし、ラックから9番 吉田→10番 ヒル→12番 仙波とボールを回し、ヒルにリターンパスでトライ、コンバージョンも成功し、28-3。4トライを取得したため、東芝は早くもボーナス点を手に入れた。
ここまでアタックチャンスがありながらもミスが続いていた三洋電機がようやくトライチャンスをものにする。33分ラックから9番 田中→10番 入江→12番 榎本→13番 霜村とボールを展開すると、霜村が一瞬のスピードコントロールでディフェンスを寄せ付け、内側に入ってきた14番 北川にパス、北川がチップキックし、そのまま自分でボールを取りトライ。28-8となった。しかしながら40分には東芝がさらにトライをあげ33-8で前半が終了。

ロッカールームでの10分間で、三洋電機がどのように修正してきたか期待しながらの後半だったが、やはりブレークダウンでのcollision(コリジョン=衝突)とcombat(コンバット=闘い)を制したのは東芝だった。三洋電機陣ゴール前でのブレークダウンから出たボールを10番 ヒルが股下からパス、13番 冨岡がそのボールを拾いまっすぐ走りトライを奪うと、18分、22分とフォワードの激しさとバックスのスピードが上手く機能し点数を重ねた。
25分に三洋電機がチャンスを迎える。危険なプレーによりロアマヌが10分間の一時退場となり、14人となった東芝に対し、32分にラックから10番 入江→13番 霜村→21番 山内→22番 山下とボールが回りようやくこの日2トライ目を獲得した。
36分にロアマヌがピッチに戻ってくると、逆に三洋電機が堀江の危険なプレーによるシンビンにより14人になってしまい、38分にはゴール前スクラムから東芝8番 豊田がボールをトライラインに持ち込み、ヒルのゴールも成功し、62-13。お互いスピードとスキルを備えたバックスを揃えていたが、ラインアウトやブレークダウンで執拗にアタックし続けた東芝が三洋電機を圧倒する結果となった。
2月1日から始まるマイクロソフトカップで三洋電機がどのようにチームを立て直してくるか期待したい。(江口美和子)


会見リポート
三洋電機ワイルドナイツ
飯島監督(右)、榎本主将
飯島監督(右)、榎本主将

◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督
「キッキングゲームでポゼッションを取られ、自陣でゲームすることが多くなり、結果的に大量得点されてしまったゲームでした。選手はよくやりましたが、もう少しカウンターアタックの準備など、コーチングサイドも含めて足りなかったと思います。東芝さんはランナーが迷いなく走り込んで来て、もっとセットピースからプレッシャーをかけねばならなかったところです。こういう試合になってしまいましたが、13節もよい試合をしてきて、結果2位で、もう1回チャンスがありますので、厳しい状況ですが、非常に強い東芝さんともう1回勝負したいと思います」

──トヨタ戦の怪我が響いていたのか?
「怪我を含めてチーム力です。大多数のメンバーはマイクロソフトカップに出られると思います。ベストメンバーで戦いたいと思います」

──サントリー戦に向けて?
「しっかりと今日の試合の反省を生かしてチームを作り直して臨むだけです」

○榎本淳平主将
「今日はキックマネジメントで負けてしまい、1対1で勝負できなかったことが大敗につながったと思います。これだけ大差をつけられたのは3シーズンぶりです。僕たちは東芝さんがこういう試合をしてくれて、『何か高いもの』を受けた感じがしています。立て直して、もう2試合、もう一度チャレンジャーとして立ち向かいたいと思います」

──どこがうまくいかなかったのか?
「ブレイクダウンで激しい接点になることは分かっていましたが、個人で差し込まれて後手を踏んだと思います。あれだけ差し込まれるとは思っていませんでした。もう少ししっかり一人目のプレーヤー、二人目のプレーヤーが徹底してボールの回しを遅らせればディフェンスできたと思います。また、うちは修正能力を持っているチームですので、後半、しっかり立て直したのですが、攻めて、攻めてゴールライン前でちょっとしたミスが出たり、ラインアウトからうまく出せなかったのが問題です。後半は見ているだけでしたが、東芝さんのブレイクダウンは速かったですし、集散も強かったと思います」

──メンバーがここに来て代わったせいか?
「それは言いたくないし、今日が現状でベストのメンバーです。そのメンバーが準備できなかったというだけです」
東芝 62-13 三洋電機 東芝 62-13 三洋電機 東芝 62-13 三洋電機
東芝ブレイブルーパス
和田監督代行(右)、廣瀬主将
和田監督代行(右)、廣瀬主将


◎東芝ブレイブルーパス
○和田賢一監督代行
「本日はどうもありがとうございました。素直に、昨年の日本選手権チャンピオンチームという強い相手にこのような試合ができて嬉しく思います」

──今日の強さは。
「瀬川監督の目指すラグビーがボールを動かすラグビーで、接点の強みを生かして、コンタクトシチュエーションでもキャリアーもサポートする選手もブレイクダウンを動かすことを目指しました。全部できたと思います」

──ベテランと若手をうまく起用しているが?
「先週も、今週も、うちはベストメンバーで行かねばならないと考え、その結果、このメンバーとなり、ベテランと若手をミックスした形で、この力が出ています。ベテランは持ち味を発揮し、若手は臆することなく思う存分に力を出しています。ベテランと若手がカバーし合ってチームとしてジョイントしています」

──マイクロソフトカップ1回戦は神戸戦に決まったが?
「神戸さんは強いチームと本当に思っています。現に、リーグ戦で大敗しています。2週間ありますので、何を準備するかしっかり考えて臨みます」

○廣瀬俊朗主将
「僕たちは自分たちの置かれた立場をわきまえて、見てくださる東芝ファンの皆様のために良いラグビーをしようと、また、昨年、マイクロソフトカップで悔しい負けを喫し、あのチームは終わってしまったので、再戦でリベンジしようと臨みました。プレーできることにすごく感謝しています。僕たちはこれだけ幸せなんだと。選手だけでなく、部員一同が同じ思いをブレずに持って、攻め続けることができました」

──チーム力が上がったのか。
「これといって練習内容が変わったわけではなく、皆の気持ちが一つになって、皆が同じ目標を持つことができてチームとしての力が上がったと思います」

──コンタクトではサントリーと三洋はどちらが強かったか?
「最初の十何分間の三洋さんのタックルは厳しかったと思います」

──マイクロソフトカップ1回戦は神戸戦に決まったが?
「前回、負けていますし、神戸さんは細部のこだわり、1個1個の理念をしっかり持っていると感じています。ただ、神戸さんがどうこうより、東芝がしっかり気持ちを持って臨むことが大事です」

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