10節 マッチ&会見リポート(神戸製鋼 35-52 三洋電機)

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C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
マッチリポート
神戸製鋼コベルコスティーラーズ 35-52 三洋電機ワイルドナイツ
(week10/2008年12月21日 at兵庫・ホームズスタジアム神戸)

前節、外国人FWプレーヤー3名を先発起用した策が当たり、東芝を撃破した神戸製鋼コベルコスティーラーズは今節もほぼ同じ布陣。

三洋電機ワイルドナイツのキックオフで始まったゲームはいきなり動き出す。神戸製鋼のキャッチミスを三洋電機がオープン展開、BKのキックパスを左サイドに残っていたLO4番 ユがキャッチ、そのままインゴールに走り込みトライ、ゴールも決まり0-7。昨年と同じく、大差がつくか(昨年は、神戸製鋼24-57三洋電機)と思われた立ち上がりであったが、ラックの連取で攻め立てる三洋に対し、神戸製鋼も前に出るディフェンスで対抗、ターンオーバーの場面が多くなり、徐々に盛り返す。7分、12分、15分とPGチャンスを神戸製鋼12番 山本が決め、ゲームをひっくり返す。勢いに乗った神戸製鋼が押し気味に進めるも、三洋DFの堅守でゴールラインを割れない。33分モールをターンオーバーした三洋は左サイドへ大きく展開、LO5番 ヒーナンが切れ込みトライし逆転。接点で人数をかけ、粘りのDFをしていた神鋼だけに、虚を突かれた場面であった。37分のPGチャンスを決め追いすがる神鋼だったが、前半終了間際の40分、右展開を仕掛ける三洋CTB榎本にカットインを許し突き放されトライ。ゴールも決まり、12-21と三洋9点リードで折り返す。

積極的なアタックをみせる神鋼の勢いは、劣勢にもかかわらず後半も衰えない。45分左展開からライン参加したHO2番 松原→PR1番 平島の見事なスイッチプレーが決まりトライ。ゴール成功で19-21に迫った神鋼は、攻撃のバリエーションを増やすべく、BKにホラを投入する。54分自陣22mライン付近から自らのパントをキャッチしたNo.8 マパカイトロが大きく切れ込み、最後はFB陣川がトライし逆転(ゴール成功26-21)。その後、執拗なアタックの三洋が2T・2G、簡単にラインブレイクを許さない堅守の神鋼が1PGを加点(32-35)し、一進一退の攻防だったが、75分に三洋トゥキリがDGを決めた場面から、流れは三洋に。78分、ラインアウトを割り出たLO5番 ヒーナンのトライで、PGで追いすがる神鋼を突き放した三洋が、終了間際の80分にもダメ押し(35-52)、プレイオフ進出一番乗りを決めた。
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会見リポート
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
平尾GM兼総監督(左)、後藤キャプテン
平尾GM兼総監督(左)、後藤キャプテン


◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二ジェネラルマネージャー兼総監督
「最後は点差が開いたが、勝てるチャンスは充分あった。このレヴェルでは、ちょっとした詰めの甘さをなくさないと、総合的に勝つことはできない」

○後藤翔太キャプテン
「ゲームマネジメントで負けた。結果、判断ミスもあったが、そこでしなければ点に結びつかないと思った。とはいえ、ゲームコントロールを上手く行い、冷静なゲーム運びをすれば、勝機はあった。ゲームに負けたという反省を次に生かしたい」

──「詰め」の甘さとは?
○平尾総監督
「カウンターアタックで、上手くボールを運べばチャンスがあった。キックボールの処理や前半最後のトライの失点など、そこのところの抑えが大事。失点を重ねるとトップにはなれない。やってはいけない失敗をなくさないと」

──判断ミスとは?
○後藤キャプテン
「後半終了間際でのショットの選択や、ノットストレート等ケアレスミスをしてしまったことが敗因。最後のPKは、タッチやスクラムという選択もあった。しかし、弱気になってショット(PG)を選んだ。あぁ、どうしてあんな判断をしてしまったのだろう‥‥。考えた末の判断だったけれど、ミスだった」

──(次の1月3日の)サントリー戦に向けて?
○平尾総監督
「全力でやりたい。判断ミスはつきものだし、それを挽回(ばんかい)するチーム力をつけないと。勝てるチャンスはあったし、悲観するような試合ではない。とにかくしっかりと調整していきたい」

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三洋電機ワイルドナイツ
飯島監督(右)、榎本キャプテン
飯島監督(右)、榎本キャプテン


◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督
「私がキャプテンの頃から、ずっと神戸製鋼はライバルだったし、その意味で敬意を表したい。ブレイクダウンでしばしばターンオーバーされたが、粘り強く80分間戦い続けて勝利できた。これからの3試合も勉強していきたい」

○榎本淳平キャプテン
「今日の試合はしんどかった。受けるつもりはなかったが、プレッシャーがきつかった。接戦をものにできて良かったし、ゲーム全般を通じて落ち着いてできた。ゲーム中にチームを立て直せたことは自信になる。残るゲームは一戦一戦、全力でやりたい」

──リードされたとき焦りはなかったか?
○榎本キャプテン
「ジャッジで噛み合わないこともあったが、逆転されても追い詰められた感じはなかったし、焦りはなかった。最後まで自信を持ってプレーできた。やることをやれば大丈夫だと思っていた」

──苦戦した原因はブラウンの欠場では?
○飯島監督
「想定していたことであり、ブラウンが戻ってきても、どっちを起用するか迷うかもしれない。神戸製鋼のブレイクダウンは強かった。時には激しいプレーに苦戦するようなこともあったが、トータル80分間で勝とうといっていたし、パニックにはならなかった」

──後半ドロップゴールでリードしていた後に、レイトチャージをしたことは若さや経験不足?
○榎本キャプテン
「大きな反省点だが、昨年と比べ神戸製鋼はブレイクダウンでの強さが違った。またホームで勝つという気迫を感じた。しかし、まだ時間があったので、やるべきことが統一されていれば問題ないと思っていた」

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