7節 マッチ&会見リポート(ヤマハ発動機 16-25 東芝)

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マッチリポート
ヤマハ発動機ジュビロ 16-25 東芝ブレイブルーパス
(week7/2008年11月29日 at静岡・ヤマハスタジアム)

優勝を知る伝統の力、進化し続ける東芝が連勝を伸ばす
日本代表戦が行われた11月のウィンドウマンスによる中断を終え再開の「2008-09ジャパンラグビートップリーグ」。後半戦の初戦となる7節の中で注目の対戦カードは、第6節終了時、すべての試合で勝ち点5を獲得し首位を走る東芝ブレイブルーパス(以下東芝)と、前半戦を3勝3敗の勝ち点16で折り返し、上位4チームが進出するプレーオフに向け崖っぷち状態のヤマハ発動機ジュビロ(以下ヤマハ)の一戦。ヤマハのホームである、ヤマハスタジアムのバックスタンドは日差しが眩しく、初冬にしては汗ばむ陽気。再開を待ち望んだファンの声援が響く中、試合が始まった。
前半、最初に得点を動かしたのはヤマハ。3分、東芝陣内で得たペナルティ、左中間25m付近のPGを第3節以来の先発復帰、FB五郎丸が決め3-0。その後、激しい接点の攻防の中でペナルティが続き前半21分までは東芝SOヒルがPGで手堅く得点を重ね3-9の展開。試合を通じた初トライは前半22分。ラックからのこぼれ球を東芝が拾い連続攻撃。WTB廣瀬がゲインを切り、SOヒルがゴール真下にトライ。Gも確実に決め3-16。ヤマハは、今シーズン初SOサウや右LOダンカン、左FLソーン、また日本代表で活躍した右CTB松下を中心に突破するものの、サポートを待ちきれずボールを放したところを東芝にターンオーバーされるなど、なかなかリズムが掴めない。29分にFB五郎丸がPGを決めるが、前半終了間際の攻撃もトライまで繋がらず、SOヒルがタッチへ蹴りだし、6-19でハーフタイムへ。

後半開始2分。東芝が連続攻撃でヤマハ陣内へ深く入るも、SOヒルのパスをヤマハ左CTB三角がインターセプト。そのまま70m独走しゴール真下にトライ。FB五郎丸がGを決め13-19と6点差に迫る。5分に東芝SOヒルがPGを決め、再び点差を広げるが、ヤマハもSH佐藤が相手のノックオンを拾い上げ一気に東芝陣内へ攻め入り相手のペナルティを誘い、9分にFB五郎丸がPGを決め16-22。しかし、東芝も16分にSOヒルがPGを決め16-25と9点差。両チームに反則が多く、自分達の持ち味を思うように出せない中でも、ラックのこぼれ球に素早く反応するなど体に染み付いた伝統を持つ東芝が落ち着いたゲーム運びで試合を進める。最後は、前半と同じように東芝SOヒルがタッチへ蹴りだしノーサイド。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は、東芝の全得点を挙げたSOヒル。
ヤマハ発動機 16-25 東芝   ヤマハ発動機 16-25 東芝
会見リポート

ヤマハ発動機ジュビロ
堀川監督(右)、山村キャプテン
堀川監督(右)、山村キャプテン

◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督
「多くの磐田のファンやヤマハ発動機の方に来ていただき、素晴らしい環境の中で試合ができたことは非常に嬉しく感謝しています。ただ、ホームゲームを第1戦に続き連敗したことは大変申し訳なく思います。NEC戦から約1ヶ月空いたなかで、自分たちがやろうとしているディフェンスの強化について、僕はチームの力が確実に上がっていると感じます。この部分を継続しながら今後は、ボールキープとファーストフェイズでしっかりゲインラインを切り、ヤマハのペースで継続していくことを課題に挙げ、トヨタ戦へ向けやっていきたいと思います。選手たちは成長しているので、自信を持って前を向きプレーしてほしい。ありがとうございました」

○山村亮キャプテン
「足を運んでいただいた多くのファンの皆様、ありがとうございました。ホームゲームで東芝さんを相手にしっかりと勝ちたかったのですが、結果は非常に悔しいです。今日の敗因は、ブレイクダウンでボールをキープできず簡単に放し、ターンオーバーされてしまったことです。しかし、チーム力は前半戦より上がっているのでポジティブに考え、来週のトヨタ戦は必ず勝ちたいと思います」

──ブレイクダウンでボールをキープできなかった一番の原因は。
「自分たちが簡単にボールを放したことですが、東芝さんには、一人目の仕事であるボールキャリアがしっかりゲインするという、立ってプレーする意識を非常に感じました。その部分がヤマハにはできませんでした」

ヤマハ発動機 16-25 東芝   ヤマハ発動機 16-25 東芝   ヤマハ発動機 16-25 東芝
ヤマハ発動機 16-25 東芝   ヤマハ発動機 16-25 東芝
東芝ブレイブルーパス
瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン
瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン

◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督
「トップリーグ後半戦をすごく待ち遠しく選手たちも準備してきました。スタジアムに足を運んでいただいた多くの観客の前でプレーでき、また東芝としては勝つことができよかったと思います」

○廣瀬俊朗キャプテン
「素晴らしいスタジアムで試合ができ、多くの方に来ていただいたことは嬉しく思います。試合に関しては見ての通り。11月でレベルアップした東芝を再開初戦に見ていただこうという意気込みでしたが、それができず少し不完全燃焼です。ただ、危なげなく勝ったことは自力がついた証拠。その点は評価したいと思います」

──試合後のインタビューで言われた"負ける気がしなかった"のは、どの部分で感じたのか。
○廣瀬キャプテン
「ひとつはディフェンス面。攻め込まれたシーンは、さほど多くなく余裕を持ってプレーできました。ブレイクダウンも負けていた気はしませんでした」

──冒頭の不完全燃焼の部分は。
○廣瀬キャプテン
「トライです。それだけではなく、フォワードのセットプレー、ラインアウト、ノックオンもありましたが。判断の場面で無理をしたかもという部分については、今後修正していく必要があります」

──完全Vに向け前半戦の6節を終えた段階で、すべての試合において挙げていた勝ち点5が7節で途切れました
○瀬川監督
「勝った上でしっかり反省ができることは非常に贅沢だと思います。これからも強いチームと対戦していきますが、試合は東芝だけではなく相手がいるからできるもの。そこではまず、しっかりと相手に勝ち、勝ち点を取ることが一番大事です。今日の試合、ペナルティゴールを狙ったことは全然悪く思いません。勝ち点が取りきれなかったのは、トライで得点すべき時にできなかった。そこだけです」

──今日はヤマハのディフェンスがよかったのか、東芝が攻めあぐねたのか。
○瀬川監督
「まず反則が多く、ペナルティで継続できずにショットへ変わってしまったケースも多々あり、自分たちのリズムに乗り切れなかったのではと思います。あとは、ヤマハさんのディフェンスに対し素早くボールを動かせなかったことは、プレッシャーというよりサポートの深さが足りず、自分たちのラグビーができなかったことが原因と考えています」

──11月でレベルアップしたところは。
○廣瀬キャプテン
「前半6節でチームはある程度でき上がってきたと思っていますので、11月はもう一度、個人のスキルや1対1の強さを課題に挙げ強化してきました。その部分を今日の試合でお見せしたかったのですが。ディフェンスについては、相手にもう少しプレッシャーをかけたいので、試合の最後に出せたプレーを長い時間継続していきたいと思っています」

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