2008.10.10 [FRI]
トップリーグ第4節プレビュー
Week 4(4節) 10月4日・5日と香港で行われたセブンズワールドカップ2009アジア地区予選のため2週間の休止期間を経て、ジャパンラグビー トップリーグ2008-2009が10月10日より再開する。トップリーグ各チームの協力もあり、7人制日本代表は見事アジア王者として来年3月で行われるセブンズワールドカップに参加することが決定した。 各チームと休止期間中は、サテライトリーグ等でチームの底上げを図り調整を図ってきた。ここから10月末までの3週間、厳しい戦いが始まる。 今週の注目カードは、10月10日(金)東京・秩父宮ラグビー場で行われるNECグリーンロケッツ対クボタスピアーズの一戦だろう。今年最後のナイター開催となるこの試合、両チームともここまで2勝1敗で前半戦を終えている。NECは、チームの調子自体はいまひとつだか、リーグ戦を戦いつつチーム力を上げている印象だ。No.8箕内、SH辻やPR久富といったベテランの選手たちが試合の流れを読めることが大きい。先のアジア予選で活躍したCTBロコツイ選手も登場予定。香港で見せた力強い突破は魅力的だ。対するクボタは、昨季までのチームスタイルを一変。剛から柔へと変貌を遂げた。No.8ケフがリンクプレーヤーとしてペネトレーターとしてFWを牽引し、SOドゥラームのキックで仕留める。現代ラグビーのお手本といえるような戦いぶりだ。この試合には、FBとして開幕から出場していた吉田(英)がCTBでプレー。今回のキープレーヤーになりそうな予感だ。 11日(土)の埼玉・熊谷ラグビー場では、三洋電機ワイルドナイツ対九州電力キューデンヴォルテクス、東芝ブレイブルーパス対近鉄ライナーズの2試合が行われる。 第1試合に登場する開幕から絶好調の三洋電機は、副将・三宅が戦列復帰、安定感は増すばかりだ。SH田中、SOブラウンのゲームメイクも注目したい。対する九州電力は、3連敗と厳しい戦いを強いられているが、“らしさ”は徐々に出てきた。FWの運動量で三洋を上回ることが出来れば、好ゲームが期待できるだろう。 第2試合を戦う東芝も開幕から3連勝中。立ってボールを繋ぐ理想的なラグビーが出来つつある。怪我に泣いたFB立川が先発に戻ってきたのはチームにとって嬉しいニュースだ。SOヒル、WTB廣瀬主将のダブルSOが機能すれば勝利は近い。対する近鉄は、強豪相手にも怯む事なく激しい試合を展開している。LOトンプソン主将を中心に、FWには多数のインパクトプレーヤーを擁し、BKには、WTB角濱、四宮といったトライを取れる選手がいることが大きい。接点での攻防を優位に進められれば好機が生まれるだろう。 同日、京都・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場では、神戸製鋼コベルコスティーラーズ対福岡サニックスブルース、トヨタ自動車ヴェルブリッツ対コカ・コーラウエストレッドスパークスの2試合が行われる。 チームスタイル模索中の神戸製鋼だが、開幕以来きちんと勝ち星を重ねているところは流石。外国人選手たちの献身的な働きと、若い選手たちの積極的な動きが好影響をもたらしている。特筆すべきは、ここまで全試合フル出場中の大ベテランNo.8伊藤選手。スピードあるサイドアタックに注目したい。対する福岡サニックスは、試行錯誤のシーズンを送っている。それでも、2年目のSO小野や日本代表マキリらスキル溢れるプレーでトライを奪うなど積極性は評価できる。何とか勝利をあげチームに勢いをつけたい。 続いて行われる第2試合、不本意なシーズンを迎えてしまったトヨタ自動車は、日本代表のLO北川・谷口コンビで打開を図る。BKは才能あるタレントが豊富なだけに、ボールを触らせる機会を与えたい。対するコカ・コーラウエストは、2連敗と負けが先行。巻き返しを図りたいところ。FWの西浦、松尾、山口といった選手を核に試合を優位に進めたい。BKに外国人選手を2人起用してきたところがポイントか。 13日(月・祝)には、再び東京・秩父宮ラグビー場で横河武蔵野アトラスターズ対ヤマハ発動機ジュビロ、日本IBMビッグブルー対サントリーサンゴリアスの2試合が行われる。 開幕以来勝ち星のない初昇格の横河武蔵野は、徐々にリーグ戦に慣れてきたところか。試合内容も安定してきているため、CTB佐藤主将を中心とした激しいディフェンスから活路を見出したい。対するヤマハ発動機は、前節今シーズン初勝利を上げた。試行錯誤しながらの勝利だけにここから波に乗りたいところ。SO大田尾が自由にボールを動かし山はペースで試合を進めたい。7人制日本代表の中心選手として活躍したFB松下選手のプレーにも注目したい。 第2試合に登場する日本IBMは接戦に持ち込むものの勝ちきれない。FB高主将やSOハーカスらのキックで押し上げ、敵陣で試合を進めたい。密集周辺の攻防が鍵か。対するサントリーは、負傷者が相次ぎ厳しいチーム事情だったが、この休止期間中に復帰する選手も出てくるなど明るい材料が揃った。合流が遅れていたSHグレーガンもサテライトでフル出場するなど万全を期す。王者が連覇へ加速する。 休止期間を経て再開されるジャパンラグビー トップリーグ2008-2009今節も全国各地での熱戦に期待したい。 |