4節 マッチ&会見リポート(日本IBM 24-43 サントリー)

日本IBM 24-43 サントリー   日本IBM 24-43 サントリー   日本IBM 24-43 サントリー
マッチリポート
日本IBMビッグブルー 24-43 サントリーサンゴリアス
(week4/2008年10月13日 at東京・秩父宮ラグビー場)

サントリー3勝目。小野澤トップリーグで50トライ
サントリーは第1節に三洋に負けた後は、九州電力、クボタに2勝してきているが、九州電力戦、クボタ戦とも、20点以上の失点を重ねているのが気になるところ。一方、日本IBMは前節まで、3戦3敗。今日の相手は強豪サントリーだが、ぜひとも1勝あげたいところだ。

試合開始早々の前半2分、IBMがFB高のPGで3点先行した。しかし、10分にはモールサイドをサントリーSO曽我部が抜けてトライ(ゴール成功)して逆転(7-3)、さらに13分にはサントリーバックスが左右に展開し、左ラインのWTB小野澤にフォローしたLO篠塚がトライし、サントリーが12-3と差を広げた。21分にはIBMのキックミスをサントリーCTBニコラスからWTB小野澤とつなぎ、小野澤がトップリーグ通算50トライ目となるトライを左中間に決めた。小野澤は昨年度までの5シーズンを通じて出場し、昨年度までに46トライを挙げて、トップリーグのトライ王となっているが、今シーズンさらに4トライを決めて、これで計50トライとなった。
その後、IBMも何回かゲインラインを抜けてゴール前までボールを持ち込むが、決め手に欠け、また、サントリーが集中力あるディフェンスで防ぎ、IBMはなかなかトライが取れず、一方、サントリーは敵陣に入ったチャンスは着実に得点に結び付けて、FBオドゥーザも独走トライを取るなど、前半はサントリー24-3日本IBMで終了した。

後半に入り、サントリーはSHを田中からグレーガンへ入れ替えた。グレーガンはトップリーグの開幕戦、対三洋戦で先発出場したが、チームを引っ張るようなプレーは見せられずに、その後、トップリーグ試合出場は控えて調整していたので、約5週間ぶりのトップリーグでのプレーとなった。サントリーはグレーガンのテンポいいボール捌きからWTB成田、No.8ソンゲタらがトライをとり、計7トライで、得点を43点にまで伸ばしたものの、最後の5分間にIBMに2トライを返され、組織立ったディフェンスが80分間続かないという課題も残した。最終スコアはサントリー43-24日本IBM。(正野雄一郎)

会見リポート
日本IBMビッグブルー
安藤ヘッドコーチ(右)、高主将
安藤ヘッドコーチ(右)、高主将

◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ
「今日はたくさんの方々にご来場いただいて感謝申し上げます。結果は残念でしたが、ゲームプランとして勝つための準備を2週間してきました。ゲームフォーカスが特に前半できなかったのが、残念な要素です。スクラムのプレッシャーなどは想像してきたとおりでしたが、こちらからのプレッシャーができず、自分たちの流れに持って行けなかった原因です。最後の最後で自分たちのラグビーを少し見せることができたが、相手のプレッシャーのきつい前半で見せないといけません。次の試合は、プランやスタイル含めてしっかりやっていきたいと思います」

──ハーカスを前半から使わなかったのは。
「加瀬は万全でしたし、直前にロトゥがケガをしたためです。2週間、加瀬をスタンドオフで準備をしてきましたので、ラグビーは15人でやるものですから、この2週間の流れを重視しました」

○高忠伸主将
「沢山のファンの皆様にごらんいただけて、トップリーガーとして誇りに思います。その中で、前半、タイトな試合ができなかったのは申し訳なく思います。前半、ミスから獲られたのは反省点です。後半、10分過ぎから形を見せることができたので、それを長くしていくことが課題です。セットピースをしっかり修正して、一つ一つ、一日一日を大事にしていきたいと思います」

──ハーフタイムでは。
「前半から14人が少し受身で、ハーフタイムでコーチから檄を飛ばされスイッチが入ったと思います。本来は、トップリーガーとして練習から自分たちでスイッチを入れられるようにしなければなりません」

日本IBM 24-43 サントリー   日本IBM 24-43 サントリー   日本IBM 24-43 サントリー
サントリーサンゴリアス
清宮監督(右)、小野澤選手
清宮監督(右)、小野澤選手

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「今日はたくさんの新しいメンバーがゲームに出て、16番伊勢田は4年目にして初めてジャージを着たし、17番林はアキレス腱の怪我から1年間のリハビリでカムバック、6番佐合はサントリー初キャップで、チャンスをこの試合でもらって活躍してくれました。小野澤も50トライということだし、畠山はプロップでマン・オブ・ザ・マッチということで、フューチャーしたプレイヤーがアグレッシブにプレーしてくれて、それぞれのメンバーの思い出になる、サンゴリアスとしてはハッピーな試合でした」

──小野澤選手のすごさは?
「普通の選手よりケガの治りが早いんです。6週間の診断なら3週間で、体質、努力の賜物です。何よりもチームの中で身体に対してのこだわりを持っていますし、数字も残していますから」

──曽我部選手は?
「前半はコントロールできていたけれど、後半はちょっと良くなかったですね。もっと普通のスタンドオフをやってくれれば良いのですが、今日はスタンドでなく『曽我部』をやっていましたね。もっとキックは飛ぶし、パスも長いのに何をやっているんだという感じです」

──次の試合は?
「中五日ということで、もっとシンプルに、もっとソンゲタはパワフルで強いランナーですし、小野澤はもっと速いし、もっとそういうものが見えるような試合をしたいですね」

○小野澤宏時選手
「(トップリーグ初の50トライは)ただ、元気にやらせてもらっているだけです。個人的に50トライはちょっとほっとしています。アクシデントもありましたが、そういうなかで楽しくできたかなと思います。50トライ自体が自分も意識したことはなかったのですが、長くやっていたら、いつか、誰かが獲るかなとは思っていました。3年目、1シーズンで2トライしか獲れない年があって、そのシーズンが一番思い出深いです」

──(趣味の)自転車のおかげ?
「それはないと思いますが、息子がゴールラインで花束を用意してくれていて嬉しかったです」

──後半は?
「アクシデントでバックスは不慣れなポジションで、立ち位置が違うから、一瞬見てしまったのでしょう」

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