トップリーグ2015-2016 第7節 マッチサマリー(NTTドコモ 14-14 NEC)
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NTTドコモレッドハリケーンズ 14-14 NECグリーンロケッツ トップリーグ2015-2016 第7節 グループB RWC2015の熱狂の冷めやらない11月半ばに開幕したジャパンラグビー トップリーグ2015-2016リーグ戦もいよいよ最終の第7節。今季初の大阪・キンチョウスタジアムでのゲームはグループB、地元NTTドコモがNECを迎え撃つ一戦。NTTドコモはリーグ戦2勝1敗と好スタートを切ったが、第4節から悪夢の3連敗。一方のNECも前節、コカ・コーラ戦でようやく今季初勝利を挙げた。両チームともLIXIL CUP2016進出の望みは絶たれているが、9~16位決定トーナメントに向けて少しでもチーム状態を上げたいところ。暮れも押し迫った師走の一日、5000人を超す熱心なトップリーグファンの見守る中、試合はNECのSOサム・ノートンナイトのキックオフで幕を開けた。 開始直後からNECはFWのピック・アンド・ゴーやBKの細かなパス回しでNTTドコモ陣に攻め込む。一方、前半、風上に陣を取ったNTTドコモはSOハンドレ・ポラードのロングキックで奪われたエリアを効果的に挽回する。 そのような展開が続く25分、NECはNTTドコモの危険なタックルで得たゴール前35m右中間のPGをCTB森田洋介が慎重に決めて3点を返す。さらに36分にもホールディングで得たゴール前15mのPGをこれもCTB森田が決め、7-6とドコモを追い上げて前半を終えた。 後半、風上となったNECは6分、ハーフライン左中間ラックから左ショートサイドを突いてBKが繋ぎ、最後はCTB釜池真道が左中間にトライ。7-11と逆転に成功した。さらに19分には10m左中間からCTB森田がこの日3本目のPGを決め、7-14とNTTドコモを突き放しにかかる。 次の得点が勝負の行方を決定づけるため、両チームとも必死の攻防が続くものの前半同様、お互いが決め手を欠き得点できない。 両チームは年明けから9-16位決定トーナメントに回ることになるが、ここでは初戦に敗れた段階で入替戦出場となることから、お互いにプレーの精度の向上と奮起を期待したい。 ● 記者会見ダイジェスト ●
NECグリーンロケッツ 相澤総監督(左)、瀧澤キャプテン 相澤輝雄総監督 「リーグ戦最終節、多くの観客の皆さんに来ていただき、何とか勝利を挙げたかったのですが引き分けという結果となりました。ただその中で最後にトライは奪われましたが、NECとしては目指していた良いディフェンスができたと思います。課題としてはチャンスで取り切れなかったことが悔やまれますが、良い形でリーグ戦を終えることができました。次は1月9日のトーナメント初戦に向けて準備するだけです」 瀧澤直キャプテン 「大阪、NTTドコモのホームゲームにも関わらず、多くの観衆にNECの健闘を称えていただきました。引き分けという悔しく喜びづらい結果ではありましたが、NECらしさも多く出たゲームで、観客の皆さんには楽しんでいただけたと思います。リーグ戦最終戦、最高ではなかったが、次に繋がる良いゲームではなかったかと思っています ──最後のサム・ノートンナイトのミスなどチャンスでの残念なプレーがあったが? 相澤総監督 「確かにもったいない場面も多かったです。今シーズン、勝ち慣れていないこともありますが、チャンスの場面で自分たちがどんなプレーを目指してきたのかを思い出し、そのようなプレーを選択してほしかった」 ──後半風上に立ったにも関わらず、ターンオーバ後の接点などでボールが確保できていなかったが? 相澤総監督 「アタックについては今季の課題ですが、ただ少しずつ改善はできてきています。今後はゴールに迫った段階で、しっかりとしたNECらしいプレーを選択していってほしい」 NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖監督(右)、渡辺ゲームキャプテン 下沖正博監督 「本日は大阪、ホームゲームということで多くのファンの皆さんにご来場いただき、本当に有り難く思っています。チームとしては今回勝てばグループ5位通過が確定するということで当然勝利を目指しましたが、なかなかトライがとり切れずに同点止まりで勝つことができませんでした。悔しい結果となりましたが、次は大切な1月9日の試合なので気持ちを切り替えて、この7節までに出た課題をしっかりと2週間で修正して、良い形で9日に臨んでいきたいと思います」 渡辺義己ゲームキャプテン 「素晴らしい環境の中、多くの観客の皆さんに観戦いただきとても嬉しく思います。監督同様、勝てば5位通過ということで1点差でも勝ちにフォーカスして試合に臨みましたが、なかなかミスで取り切れずに相手ボールになるなど、同点で終わったことは悔しく思います。9日の試合は負ければ入替戦ということで、この2週間しっかり全員の意識を集中して課題をクリアして臨みたい」 ──神戸製鋼を破った後も波に乗り切れない要因は? 下沖監督 「いくつか課題はありますが、今日の試合でも出たように22mに入った後で、なかなかスコアに結び付けられないという問題があります。その課題は一人一人のボールキャリアとサポートプレイヤーが精度をあげることと認識しています。前半はこの1週間でしっかり修正できた部分が出てスクラムからのトライなどに結び付けられたが、まだ根本的に修正しきれていない点があるので、この2週間でしっかりと精度をアップしていきたいと思います。神戸製鋼戦のようなテンポの良いアタックができれば、我々のラグビーができると確信しているのでそれを取り戻したい」 ──ハンドレ・ポラードがしっかりラインブレイクしても取り切れていないが? 下沖監督 「ラインブレイクする機会は昨年に比べて格段に増えていますが、そのアタックがトライに結び付けられていないという課題に対し、チャンスを確実にものにできるように修正したい」 ──ボラードのゲームコントロール、クリエルの突破力の使い分けは? 下沖監督 「今日のゲームについては1点差でも勝つというチームの目標があったので、PGでも確実に得点するためにポラードを先発で起用しました。だが今日のゲームのようにフェーズを重ねても得点できないような状況では打開できる選手としてクリエルが効果的なので、試合の位置づけ、ゲームの展開により使い分けをしていきたいと思います。クリエルはメンバーを鼓舞して活気づけるような働きもしてくれているので大切な局面で切り札的に使っていきたい」 (記事:石川 悟、丸井康充) マン・オブ・ザ・マッチはNTTドコモレッドハリケーンズ13番、パエア ミフィポセチ選手
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