「ワイルドカードトーナメント 1回戦」マッチサマリー(トヨタ自動車 27-36 NTTドコモ)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ 27-36 NTTドコモレッドハリケーンズ ワイルドカードトーナメント 1回戦 ワイルドカードトーナメント1回戦、セカンドステージグループA6位のトヨタ自動車とグループB3位でワイルドカード初出場のNTTドコモの一戦。 7分、トヨタはようやくハーフウェイを越えBK展開、大きくゲインが切れそうと思われたが、ドコモ左WTB茂野洸気がインターセプトし左サイドを70m走り切りポスト左にトライ、ゴールも決まり0-14と点差を拡げる。 このまま、ずるずると離される訳には行かないトヨタ自動車は12分にPGを返し3-14と反撃の構え。トヨタ自動車は、ラックにかける人数を最小限に留めディフェンスラインを固めるが、ドコモは一瞬集散が早く、次々とラックを支配し、トヨタ自動車ゴール前に迫るも追加点をあげられずに膠着状態が続く。トヨタ自動車は、ようやく33分右中間ラックからの展開でCTB八役大治がラインブレイクし大きくゲイン、最後は7番FL安藤泰洋がポスト左にトライ、ゴールも決まり10-14と点差を詰めにかかる。 後半、ドコモはキックオフの勢いを駆ってトヨタ自動車陣内深く攻め込み2分、左中間ラックからSH辻埜拓也が左ショートサイドに走り、最後はWTB渡辺がこの日2本目のトライ、ゴールも決まり10-33と大きくリードを拡げると、バックスタンドの赤に染まったドコモ応援席から大きな拍手が起こる。 後半の中盤、互いに我慢のしどころを迎え一進一退の攻防が繰り広げられるが、トヨタ自動車はトライチャンスでノックオンを犯すなどし、自らチャンスの芽をつぶす。ドコモは34分途中出場の23番リアン・フィルヨーンがほぼハーフウェー中央から48mのロングPGを決め、22-36と14点差をつけ試合の趨勢を決めにかかる。トヨタ自動車は逆転に向け攻撃を仕掛け、ようやく38分ヘルドインゴールで得たスクラムから左展開。最後は途中出場の22番スティーブン・イェーツがトライを決め27-36と追いすがるが届かずノーサイド。 ● 記者会見ダイジェスト ●
トヨタ自動車ヴェルブリッツ 廣瀬佳司監督 「NTTドコモさんは勢いに乗っているチームなので危機感をもってこの試合に臨みましたが、やはり立ち上がりから受けに回ってしまい、前半の失点が大きく、後半に取り返すことができませんでした。リーダーのケガやリーグ戦後半に失速してしまったが、これもチーム力、来季はしっかり立て直して上位を目指し頑張っていきたいです。今シーズンもありがとうございました」 杉本晃一ゲームキャプテン 「NTTドコモさんは勢いがあって、捨て身でくるだろうと予想していました。そのために受けずに、トヨタ自動車らしくフィジカルに入っていこうとメンバーに話していましたが、チームとしてそれが実践できませんでした」 ──後半早々に23点も差がついたが、その時点での逆転のシナリオは? 「とにかくボールをキープしてアタックをすれば、われわれの(フィジカルで前に出るという)ラグビーができると思っていましたので、ボールを持ち続けて前に出ようということでしたが‥‥」 ──文字選手の欠場の影響は? 「システム的にうちのラグビーをやっているので、そんなに影響はありませんが、やはり自分たちが受けてしまったこと、これが敗因だと思います」 NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖正博監督 「大阪での試合ということで多くのNTTドコモのファンの皆さまにご来場いただく中で、トップリーグ6位のトヨタ自動車さんに勝利することができ、非常に嬉しく思っています。また次戦のNECさんに向けて良い準備をして、勝利したいと思います」 ──リーグ戦では負けている相手、本日のゲームプランは? 「トヨタ自動車さんはトップリーグ6位ということであるが、デイフェンス、特にタックル成功率やターンオーバー数が2位という非常にデイフェンスの良いチームです。そのチームにどう戦うかということと、リーグ戦では自陣から攻めて自滅をしてしまったこともあり、自陣での時間を少なくして敵陣で自分たちの形のアタックを継続することをチーム全体に伝えました。それを選手たちは遂行してくれました。選手たちの貢献によって勝つことができました。選手たちに感謝しています」 ──シーズンが深まる中でチームの何が変わってきたのか? 「選手たちは戦略戦術面を理解はしていましたが、やはりそれを実行するスキルや状況判断が足りないことがファーストステージを通じて課題として出ました。そこを修正して、スタンダードを落とすことなく日々積み上げてきました。一日一日を大切に取り組んできたことが結果につながっていると思います」 ──(昨年は入替戦、今年はトーナメント出場)チームの雰囲気は? 「初めての経験で個人的にも緊張感があるし、選手たちもまた違った緊張感の中でゲームに臨んだと思います。そんな(いい緊張感の)中でもリラックスして、あとは自分たちが準備してきたことを出すだけだということで、本当に良い雰囲気で過ごせていると感じています」 才口將太ゲームキャプテン 「(トーナメントで)負ければ終わりという中で、きっちり勝ち切れたのはチームにとっても大きく嬉しく思っています。チャレンジャーという立場で80分間ひたむきに自分たちのラグビーをすることをターゲットにして臨みました。ただ予想はしていましたが、相手の強い外国人選手にボールを集められてゲインされたことは反省です。NEC戦に向けてデイフェンスラインの整備を再度して、次戦もひたむきにチャレンジしていきたいと思います」 ──前半の評価は? 「グラウンドを大きく使った自分たちのラグビーが遂行できたことです。自陣からも攻めて相手の綻びを作りそこを突けました。良いサイクルでシステム通りのラグビーができたので、4トライも獲ることができたと思います」 ──(昨年は入替戦、今年はトーナメント出場)チームの雰囲気は? 「過去3年間(入替戦で絶対に負けられないという状況)と今年は(プレッシャーの種類が)違いますが、自分たちは成長できているという感触をつかみながら練習をできていると思います。負ければ終わりですが、やはり思いっ切りできることを楽しみ、この1週間はシーズンで一番いい練習ができたと感じています」 (記事:山林右二、蜷川善夫、高橋茂治 写真:野口美保、山口勝一 広報担当:村島博) |