ファーストステージ第1節 マッチサマリー(NTTドコモ 17-21 近鉄)
ファーストステージ・第1節 プールB 今シーズンの関西におけるトップリーグ開幕試合は、NTTドコモと近鉄といずれも大阪にホームをおくチームでの開幕戦となった。昨シーズンは接戦の上、最後は近鉄が勝利をおさめている。両チームとも開幕に向け万全の布陣を整え、大阪ダービーが開催された。 8月末の湿度が高く風のないコンディションのもと、近鉄のキックオフで試合が開始された。序盤優位に立ったのはNTTドコモ。近鉄のノックオンなどイージーなミスから近鉄陣内で試合を進めるも、近鉄のディフェンスの壁を容易に崩すことができない。このような状況を打ち破ろうと5分、NTTドコモは、左中間でSO茂木大輔がDGを狙うが不成功。 中盤、近鉄はNTTドコモの執拗な攻撃を防ぐと、自陣から左WTBアンドレ・テイラーがメインスタンドのサイドを駆け抜け、NTTドコモ陣内22m付近まで持ち込み、ディフェンスを崩して、最後はSO重光泰昌が中央にトライ。ゴールも重光が決め、0-7と先手をとる。 この後、得点を上げたのは優位に試合を進めていた近鉄。32分、CTBフランク・ウインターステインがハーフライン左中間でディフェンスをすり抜け、NTTドコモ陣内に入ると、ゴール前10m中央で意図的にモールを組み、最後は左PRのキャプテン豊田大樹が中央にトライ。ゴールも決まり14-0と昨シーズンまでとは異なる試合運びで前半を終える。 後半はNTTドコモのキックオフで試合開始。キックオフの勢いを駆って近鉄ゴール前まで迫ると近鉄はたまらず反則。NTTドコモは迷わずPGを選択、SO茂木がこれを決め、3-14と点差を詰めにかかる。 その後互いに決め手を欠く試合展開となった終盤31分、NTTドコモCTB中矢健が左中間でゴールに飛び込むが、TMO判定。場内の大型スクリーンに映し出されるトライシーンにNTTドコモファンの期待が高まる中、トライのホイッスル。ゴールも決まり、10-21と詰め寄る。試合終了間際にもNTTドコモは右WTB渡辺義己が自陣ゴール前から独走し、右隅にトライ。17-21とするがノーサイド。今シーズンも近鉄が薄氷の勝利を収めた。 ● 記者会見ダイジェスト ●
NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖監督(左)、茂野ゲームキャプテン 下沖正博監督 「今日は金曜日の夜でも、多くのファンが集まる中で試合ができる喜びを感じて選手一同勝つつもり試合に臨んだが、近鉄のラインブレイクとターンオーバーが激しく、我々のアタックがほぼできなかったことが大きな敗因です。 茂野洸気ゲームキャプテン 「大阪ダービー、多くのファンに来て頂き、この中で試合ができることを嬉しく思います。近鉄とドコモとが大阪ダービーを築けて行ければ良いと思う。 ──ブレイクダウンではワイドに攻めたかったのか、フォワード戦に持ち込みたかったのか? 下沖監督 「ワイドとか近場とかに拘りはなかったが、自分達がやって来た形が結果的にクイックでもボールを動かしていく、しかし近鉄の一人目、二人目のボール絡みが厳しく強かったことが大きなポイントだと思う」 茂野ゲームキャプテン 「特別どこを攻めるのではなく、自分達の形を出したかったが、天候も暑い中、汗でボールが滑りミスに繋がった。そこを改善してスキルを上げて行きたい」 近鉄ライナーズ 前田監督(左)、豊田キャプテン 前田隆介監督 「開幕ゲームへの沢山の応援に感謝したい、会社も含めてバスまで出して本社からも応援に来て頂き嬉しく思います。 豊田大樹キャプテン 「金曜日の公式戦、近鉄、ドコモ両チームのファンが沢山集まって頂き開幕を迎えて嬉しく思います。試合は前半、ミスもあったが相手にアタックさせずにボールをしっかり掴み、相手の攻撃を摘んだと思う。後半ギアーを上げて引離したかったが、逆に4トライを獲れずに相手に7点差の1ポイントを与えてしまったことは、反省しなければならないと思う。これからのシーズンに向けて1ポイント、1ポイントを大事に考えてラグビーを戦いたいと思う。選手達は我慢して戦ったと思う」 ──今日のハンドリングミスは天候と汗が原因か? 豊田キャプテン 「もちろん汗もあるが開幕戦とかが重なって硬さもあって、いろいろな要因があったと思う」 ──テイラー選手が入ってバックスのコンビネーションは不安でしたか? 前田監督 「怪我をしてから合流して、普段からの練習もここに向けてコンディションを整えて能力のある選手ですので心配はしていない、いいスタートをしたと思う」 (大阪府協会:山林右二、蜷川善夫、村島 博) マン・オブ・ザ・マッチは近鉄ライナーズのSO重光泰昌選手
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