ファーストステージ・第1節 マッチサマリー(近鉄 0-46 パナソニック)
ファーストステージ・第1節 プールB 2013-14シーズンのトップリーグ開幕戦が台風崩れの強風が吹く中、昨年度レギュラーシーズン7位の近鉄、対するここ2シーズンリーグ戦3位に甘んじているパナソニックで行われる。近鉄はこの3シーズンいずれも僅差でパナソニックに敗れているが、初戦に勝利して勢いをつけたいところ。一方のパナソニックは今シーズンこそトップリーグ制覇を目指す中、互いに大事な初戦。 風下の近鉄キックオフで前半が開始され、キックオフのボールをパナソニックが処理ミスするのを近鉄は見逃さずゴール前まで攻め込むが、パナソニックは安定したディフェンスでゴールラインを割ることを許さず、逆に風上の利を活かしキックで徐々にエリアを戻す序盤の戦い。 一方、前半風下の近鉄は、パナソニックの攻撃の前に得点を挙げることができなかったが、28分からラトゥイラ、ギアを途中出場させると、これ以降ディフェンスが機能し始めパナソニックに得点を許さず風下のハンディを18点に抑え、後半に逆転を期することとなった。 パナソニックのキックオフで後半が開始。近鉄は風上を活かしキックでエリアを確保しようとするがキックの距離は伸びず、落下点にはパナソニックのプレーヤーが待っており、パナソニックはラン、キック、ショートパスで前進するものの、両チームとも得点を挙げることができず後半戦の中盤を迎える。 パナソニックは、21分に23番ピーターセンがアウトサイドセンターに入ると、近鉄陣22mラインアウトからの連続攻撃でいきなりトライを挙げる。 ● 記者会見ダイジェスト ● 近鉄ライナーズ 前田隆介監督(左)、森田尚希バイスキャプテン 前田隆介監督 「この1週間いい準備をして、いい雰囲気で試合にのぞんだ。強風と天候が心配されたが風をイメージしたゲーム運びができなかった。早い段階で怪我人が出て、やろうとしたプラン通りの事ができなかったことで、選手が焦ってしまった」 森田尚希バイスキャプテン 「今日のゲームに対しての準備はよくできていたが、前半は思った以上に自陣での戦いを強いられた。後半は『切り替えていこう』と思ったが、焦りから後手にまわり自分たちで自滅してしまった。まだシーズンが始まったばかりなので切り替えて次のクボタ戦にのぞみたい」 ──予想外に点差が開いたがパナソニックのどこが良かったのか? 前田監督 「陣地の使い方が上手かった。こちらは3~4フェイズで形としては崩しているところもあり、そこでボールを動かしてアタックしていくパターンだったが、焦ってしまいスタンダードを乱してしまった」 森田バイスキャプテン 「オフェンス、ディフェンスとも思った以上にプレッシャーがあった」 パナソニック ワイルドナイツ 中嶋則文監督(左)、堀江翔太キャプテン 中嶋則文監督 「近鉄さんは『中井選手の弔い合戦』と結束力をもって挑んでくるだろう、難しい開幕戦になるだろうと思っていた。前半はお互いに力を出し切れない展開だったが、後半はフィットネス、フィジカル面で勝って結果的に大差のゲームになった、集中を切らずに戦えた」 堀江翔太キャプテン 「前半は開幕戦という緊張から堅くなって、動きも反応も遅かった。一番タイトな時間でどれだけ動けるかが課題だが、0点に抑えたことは収穫だ。ディフェンス、アタックともにまだまだ課題はある、次に向かって修正していく」 ──アタック、デフェンスの課題とは? 堀江キャプテン 「アタックでやりたいことはもっと大きくグランドを使っていくこと。ディフェンスはけっこう近鉄さんのミスを誘う場面もあり、ブレイクダウンでもボールを取ったが、その後ボールを活かし切れていないし、タックルミスもあった」 ──近鉄との最大の差は? 中嶋監督 「フィジカル面の差はあまりなかった、気持ちの部分だと思う。堀江がチームをすごくまとめてくれ、開幕戦にいい準備ができた」 堀江キャプテン 「相手陣でプレーしてプレッシャーをかけながらミスを誘うという意図したプレーはできたが、近鉄さんは焦りからかミスもありこちらへ入ってこられなかった」 ──キャプテンとして初めてのゲームの感想は? 堀江キャプテン 「いい緊張感があり、なかなか味わえないもので、自身が今後において成長するいい材料になると思う」 マン・オブ・ザ・マッチはパナソニック ワイルドナイツ、西原忠佑選手
(記事:山林右二、北畑幸二 写真:柳元啓志 広報担当:村島博) (この他の写真については、関西協会ウェブサイトでご覧いただけます) |