ラウンド・ロビン(レギュラーシーズン)の対戦では、近鉄が2点の僅差でリコーを下している。この試合ではリコーが多くの反則を犯し勝機を逸した。しかし、ワイルドカードトーナメントでは勝利がどちらに転んでもおかしくない。日本選手権出場を賭けた大事な一戦は、リコーのキックオフで始まった。
前半、風上に陣地を取ったのは近鉄。キックオフの球を支配した近鉄はFWとBKの攻撃を織り交ぜ徐々にリコー陣内に攻め込むとプレッシャーからかリコーが反則、近鉄SO重光が確実にPGを決め3-0と先手をとる。
一方のリコーは15分、自陣22mLラインアウトからSH池田が積極的にボックスキック、近鉄ディフェンスが虚をつかれる間に右WTBキニキニラウが球を奪いそのまま中央にトライ、ゴールも決め3-7と逆転。さらに17分、リコーは近鉄リスタートミスのセンタースクラムから左展開、SO徳永の正確なロングパスがフリーの左WTBキャプテン小松に繋がり左隅に立て続けのトライ。難しい位置からのゴールもCTB河野が決め3-14とリードを拡げる。
この後、近鉄はファンの応援をバックに23分、PKからタッチを選び、5mラインアウトから左展開、ライン参加の右WTBギアがトライ、続く27分右CTBフェアバンクスがリコーディフェンスをラインブレイク、フォローしたギアが再びトライし逆転(17-14)、36分にも右CTBフェアバンクスが抜けたゴール直前ラックからSH金がサイドを抜けトライ、近鉄は風上の利を活かしディフェンスも崩れず前半を24-14とリードして終える。
リコーが有利な風上に立ち、近鉄のキックオフで後半が開始される。近鉄は風下にも係らずキックオフの勢いを駆ってリコーのミスから得た反則から速攻、ゴール前のリズムの良い連続攻撃から1分に左PR鄭がトライ(29-14)、その差を拡げる。
リコーの反撃が期待されるが、近鉄の積極的なディフェンスでその差を詰められずに迎えた21分、10mライン付近左ラインアウトから途中出場でCTBに入った21番オリフィエが、近鉄ディフェンスを走力で振り切ってライン裏に抜けトライ(ゴール)、29-21と詰め寄る。
しかし近鉄は31分にFLタウファの前進、最後はSH金がトライを奪い36-21と試合を決める。リコーはノーサイドホーン後も次シーズンに繋げる攻撃を続けるが痛恨のハンドリングエラー、途中出場した近鉄のCTB21番吉川にトライを奪われ43-21の大差でノーサイドとなる。
近鉄は、体を張ったディフェンス・積極的な仕掛けで勝利をあげ、本拠地近鉄花園ラグビー場で日本選手権出場を賭けてヤマハ発動機とのワイルドカード2回戦に臨む。
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