両チームともすでにワイルドカードへの出場を決めているものの、日本選手権に勝ちすすむためにも最終節をしっかりと勝って終わりたい。
リコーは今季、上位チームから勝ち星をあげながら、一方で確実に取らなければならない星を落とすなど、なかなか安定した力を発揮し続けることができない。
ヤマハ発動機は前節首位サントリーに6点差と迫りながら、もうひと押しができず惜しい星を落としている。最終節はしっかりとしたゲームで勝ち星をあげたい。
リコーのキックオフで試合開始。最終節という意識が強すぎたのか、両チームとも攻め合いながら決定打がなく、序盤はPGの蹴り合いとなった。
5分、ヤマハ発動機の攻撃にたまらずリコーがノットロールアウェイの反則、ほぼ正面約30mのPGをヤマハ発動機15五郎丸が決めて3点を先制する。
その直後のキックオフ、ヤマハ発動機はキャッチミスによりノックオン。ここからリコーがゴール前まで攻め込むものの、ノックオンやノットリリースザボールによりトライを取りきれない。それでもヤマハ発動機もミスが出て自陣を脱出できず、ホールディングの反則を犯してしまう。14分、左中間約40mの長いPGをリコー12フルーティーが決めて3-3の同点とする。
その後も一進一退が続いた後、自陣10m付近で五郎丸がキックチャージされたボールを、ヤマハ発動機5トーマスが辛くも拾い敵陣22m付近まで大きくゲイン。このチャンスにヤマハ発動機が展開攻撃を繰り返す。ここでリコーはたまらずオフサイド。左中間22mやや外側のイージーなPGだが、名手五郎丸が左ポールに当ててはずしてしまう。このボールをリコーが蹴り出して、一旦は命拾いしたかに思えたが、そのラインアウトからヤマハ発動機はしっかりとモールを押し込み、20分、8フォラウがこの試合初めてのトライ。ゴールも決まってリコー3-10ヤマハ発動機。
25分、今度はリコーが敵陣22m付近のラインアウトでサインプレー。最前列の選手からリターンボールを受けたスローワー2滝澤がそのまま走り切ってこの試合初トライをあげる。ゴールは失敗して8-10。
29分、リコー5山本がラックで相手選手を蹴ってイエローカード処分となる。
ここから人数の優位を活かしてヤマハ発動機の連続攻撃。リコーはまたもやたまらずノットロールアウェイ。PGを狙えば入れられる位置であったが、狙わず蹴り出し、左5m直前からラインアウト。モールは組めなかったものの、7三村が少し離れたところにラックを作りそのサイドを9池町がついてトライ(31分)。ゴールは不成功で8-15。
その後もヤマハ発動機が自陣から果敢に連続攻撃をしかけるも、ミスによりリコーに攻撃権を与えてしまった直後、リコー13山藤のパスをヤマハ発動機12サウが自陣22m付近で首尾よくインターセプト、大きくゲインして11徐につないでそのまま走り切ってヤマハ発動機連続トライ(35分)。またもや五郎丸がゴールを失敗。得点王を意識したか。8-20。
このまま前半が終わるかと思った37分、ヤマハ発動機がキックオフディフェンスをまたもやミス。22m付近でラックを形成しようとしたところボールがこぼれる。そのこぼれ球をリコー8ポークが拾ってヤマハ発動機選手を引きずりながら走り切りトライ。ゴールは不成功で13-20として前半終了。
後半開始早々、またもやヤマハ発動機12サウが爆発する。キックオフを受けて返したリコーのキックをキャッチした15五郎丸から、14中園、13ピウタウとハーフウェイ付近でつなぎ、最後にボールを受けたサウがリコーのディフェンスをかわして独走、40mを走り切ってノーホイッスルトライ。ゴール決まって13-27。
12分、リコー10河野がほぼ正面右約30mのPGを決めて、16-27と追いすがる。
しかしながら直後の14分、ヤマハ発動機がゴール前に転がしたボールをリコーが処理にもたつく。インゴールに転々としたボールをリコー22キニキニラウが拾うことができず、ヤマハ14中園がおさえてトライ。ここでまた五郎丸がイージーなゴールを失敗。16-32。
24分、リコーが連続攻撃を仕掛けるものの、ハーフウェイ付近のラックでボールを制御できずターンオーバー、ヤマハ発動機の逆襲を許す。ヤマハ発動機は大田尾に代わって入った21曽我部からゴール前10mで得意の2人飛ばしパスが11徐に通ってトライ。ゴール成功16-39と突き放す。
33分リコーの連続攻撃がようやく実る。10m付近のラインアウトからつないで5回のラックを連取、最後はラックサイドを突いた15横山がトライ。残念ながらゴールは決まらず21-39。
しかしながら36分、ヤマハ発動機はゴール前ラインアウトからモールを押し込み8フォラウがトライ、ゴールも成功、21-46としてゲームを決める。このままノーサイド。
ヤマハ発動機は清宮監督が試合後にコメントしたとおりチーム力が確実に上がってきている。しかしながら、試合開始早々スクラムで反則を繰り返すなど、まだまだ修正点は多い。五郎丸のゴールキックが9回蹴って成功が5回と低かったことも気になるところ。
リコーは連続攻撃を仕掛けながらミスでつぶしてしまうことの繰り返しだった。実力がありながら十分に発揮できていない。こちらも今後の試合、来季に向けて確実にステップアップしたい。(澤村 豊)
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