5節 マッチサマリー(近鉄 24-49 サントリー)

近鉄ライナーズ 24-49 サントリーサンゴリアス
【week5/2012年10月6日(土)/大阪・近鉄花園ラグビー場】

トップリーグ第5節、近鉄花園ラグビー場では今シーズン初めての開催となったこの日、ホームチームの近鉄の登場に、多くのラグビーファンが集まった。
近鉄はここまで2勝2敗で五分の成績、一方のサントリーは4戦全勝で首位をひた走る。

前半、サントリーが風上を選択し、近鉄のキックオフで試合が開始された。前半の序盤、近鉄は接点でのプレッシャーが強く、サントリー陣内で得た反則から6分CTB大西がPGを決め3-0と試合が動き始める。
サントリーは近鉄のプレッシャーを受ける中、日本代表の左WTB小野澤の個人技で近鉄陣内に攻め込み近鉄のオフサイドを誘うと、15分CTB宮本がPGを返し、3-3の同点にする。
この後、近鉄はサントリー陣に攻め込むがサントリーはゴールラインを割らせず、逆に近鉄がシンビンで一人欠ける26分、CTB平がラインブレイクして右中間にトライ、ゴールも決め3-10とすると、この後にも1PGを加えたサントリーが3-13と10点のリードで前半を折り返す。

後半、サントリーはセットプレーで近鉄を上回り、近鉄のスクラムコラプシングで得たチャンスをいかし、5分、ラインアウトからのサインプレーで途中出場のSO野村が左中間にトライ(ゴール)、3-18とする。これ以降サントリーペースで後半が進み、16分には自陣でのターンオーバーから、FB有賀が近鉄ディフェンスの背後にキックし、左WTB小野澤が俊足を活かして左中間にトライ(ゴール)、3-25と試合の趨勢がサントリーに傾き始める。

しかし、近鉄も地元ファンの応援の中、このままでは引き下がれず、19分にトライを奪うと、27分にも2本目のトライを挙げ、17-28と追いすがる。逆に、サントリーは31分に4本目のトライを挙げボーナスポイントを獲得。以降互いに得点の取り合いとなり、場内は大いに盛り上がったが、最後は、サントリー20番SH日和佐のキックパスをFB有賀がトライに結び付け、24-49としてフルタイム。
MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)には、サントリーのNO8竹本が選ばれた。

会見ダイジェスト
近鉄ライナーズ
前田監督(左)、太田ゲームキャプテン
前田監督(左)、太田ゲームキャプテン

■近鉄ライナーズ
前田隆介監督

「近鉄花園ラグビー場での開幕ゲームで、相手が昨季のチャンピオンチームという最高の設定でゲームができるという思いを持って全員で挑んだ。セットプレーやミスから相手にボールを奪われて得点を与えてしまったことを反省しているが、自陣からでもアタックできたのでやろうとしていたラグビーはできた。しかし、サントリーさんのディフェンスに阻まれた」

太田春樹ゲームキャプテン

「まずファンや関係者に感謝申し上げます、自分たちのミスで崩れたゲームだった。フィジカル面では負けていなかったと思うが、少しのミスで相手にボールを与えてしまったのが敗因。ミスした後の取り組みが大切で、ここを修正して次回につなげたい」

──サントリーに対するゲームプランは?

前田監督
「フィジカル面でしっかり勝負してボールに絡んでいくというプランで、個々ではほぼ互角に戦えたと思う。また9番からのアタックに対して前へ出てプレッシャーをかけていき、アタックは大きく外へまわしてスペースを突いていくというプラン。後半は風を味方にキックを交えていくよう修正したが、マネジメントのミスから最初にトライを取られたのが痛かった」

サントリーサンゴリアス
大久保監督(右)、真壁キャプテン
大久保監督(右)、真壁キャプテン

■サントリーサンゴリアス
大久保直弥監督

「近鉄さんのホームということでタフなゲームになることは予想していたが、想像以上のプレッシャーで意図した攻撃をさせてもらえなかった。その中で我慢強く粘ったのが勝因、サントリーが力を出し切れなかったら完全に負けているゲームだった」

真壁伸弥キャプテン

「自分たちのラグビーをいつも通りしたかったが、セルフ・ジャッジでリズムを崩してしまいきついゲームだった。しかし、後半は修正でき、勝ち点5を取れたのは収穫」

──次回のトヨタ戦に向けて?

真壁キャプテン
「アウェイでの戦い、トヨタはフィジカルなチームで、FWが接点で勝たなければならない、そこは絶対に譲れない、BKは信頼できるのでそこへいいボールを出していきたい」

(記事:山林右二、蜷川善夫、北畑幸二 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)

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