暖かな陽光に逆らうような強風下、風上に位置するNTTドコモのキックオフで、ゲームが開始される。
序盤、スクラムで優位に立つドコモが激しいアタックを繰り返すも、クボタが堅守で撥ねかえす。
劣勢のクボタは8分、自陣からのクイックボールを左展開、CTBオツコロが抜け出しドコモゴールに迫る。何とか止めたドコモだが、直後のラックでオフサイドを犯し、クボタはPGチャンス。
SO森脇が決め0-3と先制する。
ドコモは9分、クボタ陣10m付近のラックから左展開、CTB中矢がギャップを突いてゴール中央にT(G成功7-3)。
イージーミスを突いて逆襲に転ずる両チーム、一進一退の攻防が続く。
28分クボタ陣22mやや内側でのスクラムから、NO.8箕内・SH辻埜の8-9攻撃からFB沼田がギャップに走りこんでT。(G成功14-3)
対するクボタも34分、連続アタックからCTBマプスアがゴール中央にTを決め(G成功14-10)、食い下がる。
39分PGチャンスを決めたドコモが17-10で前半を折り返すが、後半に待ち受ける風下という不利な状況を耐え忍ぶだけの‘貯金’としては、少々不安が残る点差。
後半開始直後の41分仕掛けたクボタは右展開、CTBマプスアがパスダミーから生じたギャップを突き右中間にT(G成功17-17)。
勢いを増すクボタに対し、セットプレーで落ち着きを取り戻すドコモは48分、SOガードの突破をNO.8箕内が好フォローしチャンスメイク、クボタゴール前ラックから左展開、最後は途中出場のHO緑川が左隅にT(G成功24-17)。
ドコモがリードすれば、クボタも54分に積極的なアタックから、SO森脇がパスダミーから生じたギャップを突きT(G成功24-24)と肉薄する。
強引さが目立つドコモに対し、クボタは61分反則を誘発させ、PG成功24-27とリードする展開となったが、途中交代したFBムリアイナが機能しだしたドコモは67分、連続ラックからNO.8箕内が左中間にT(G不成功29-27)、再逆転する。残り10分、ドコモはFW戦でボールキープし時間を遣うが、堪え切れず反則を犯してしまう。
クボタも形振り構わず攻め続け、ゴール前まで迫るが、ドコモFWの巧みな‘狩り’の前に、ボールを放しきれずノット・リリース・ザ・ボールで万事休す。
‘ドコモの気迫・クボタのプライドの差は僅か’ながらも、またも入替戦で、チャレンジチームがトップリーグの壁を乗り越えることはできないという歴史を、クボタは変えることができなかった。(廣島治)
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