風下に位置するリコーのキックオフ。
風上ながら自陣より積極的に展開する神戸製鋼だが、パスミスから自陣30m右中間で反則を犯す。2分リコーSO河野がPGを決め先制。(0-3)
ミスを怖れずBKで勝負する神戸製鋼、CTBアンダーソンの好ステップでゲインするもフォローが続かず、リコーの激しいプレッシャーに遭い、反則でチャンスを潰すなどリズムに乗れない。
HO木津、FL前川らFWのサイドアタックからリズムを創る神戸製鋼は8分、PGチャンスをFBグラントが決め同点(3-3)とするも、スクラムでリズムを崩し、11分にコラプシングからリコーにPGを許し(3-6)リードされる。
怯むことなくFWが効果的な縦突破をするも、BKでなかなかゲインできない神戸製鋼は14分リコーの激しいタックルに、たまらずボールをこぼす。拾ったリコーWTB横山が70m近くを走り切り左中間にT(G不成功3-11)、ミスで自滅したレギュラーシーズンの対戦が脳裏によぎる。
23分神戸製鋼はゴール前で形成されたモールを押し込みNO.8マパカイトロのトライで点差を詰める(G成功10-11)と、風上ながらキックを多用せず積極的にボールを動かし、リコーからペースを奪い返す。
33分CTBアンダーソンの鋭い切れ込みから、SO正面が素早く反応、左中間にトライを決める(G不成功15-11)と、40分にもPGを決め18-11で折り返す。
後半開始直後、FW、BK一体となった連続アタック、ラックから抜け出したSH佐藤にWTB濱島が好フォローしT。(G成功25-11)
鋭いタックルで反撃したいリコーは56分にPGを決め25-14。なおも風上の利を生かし、キックで神戸製鋼ゴールに迫るが、僅かな綻びをなんとか繕う神戸製鋼。67分モールを押し込みトライを挙げ、一気に逆転を狙うリコー(G不成功25-19)だったが、FWの運動量で神戸製鋼を凌駕できない。
73分神戸製鋼は、連続ラックから抜け出したFL橋本を再びWTB濱島が好サポートし、ゴール中央にT(G成功32-19)、大勢を決めた。
試合後、リコー滝澤キャプテンが「セットプレーで劣勢になった」と悔やむように、前半からFWの鋭いアタックが目立った神戸製鋼が日本選手権出場権を手中にし、「(日本一奪回という)新たな神戸の歴史創り」(苑田HC)に挑む。(廣島 治)
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