東芝ブレイブルーパス 26-3 近鉄ライナーズ
【week4/2011年11月19日(土) at 神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場】
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強風と雨の中、鉄壁のディフェンスで東芝が4連勝
共に今季無敗同士の対戦となった。試合開始前から降り続く雨であったが思ったよりグラウンドの芝の状態は良い状態である。しかしキックオフが近づく時間はさらに雨脚が強くなりグラウンドの一部には水が浮き、一部スリッピーな状態で試合が始まった。しかし、この天候の中でも約1500名のラグビーファンが熱い応援を繰り広げる。「負けるわけにはいかんねん!」人数は決して多くはない近鉄ライナーズ応援団の声援が会場を席巻するかのような熱い応援の中キックオフ。
前半、近鉄が素早い仕掛けで東芝ブレイブルーパスゴール前に迫るも東芝の厚いディフェンスはなかなか破れず、もう一歩のところでゴールを切れない。逆に前半8分カウンターから近鉄ゴール前まで東芝が攻め入り、ラックサイドからFLマイケル・リーチが抜け出しトライ。前半はこのまま東芝有利かと思われたが、細かいミスでなかなかチャンスをモノにできない。両チームキック主体の攻撃が続くが、ようやく27分に東芝CTBオト・ナタニエラのトライとSOデイビッド・ヒルの正確なゴールキックもありこのまま東芝ペースになるかと思われた。近鉄も38分にようやくSO重光泰昌がPGを決め前半終了。
後半開始。さらに強くなる雨と風の中、キック主体からニアサイド攻撃に切り替えた近鉄が何度も東芝ゴール前に迫るもなかなか点に結びつかない。その後、両チーム、短いパスワークを繋ぎながらのアタック。ブレイクダウンでのせめぎ合いが続く。しかし両チーム、ディフェンスが踏ん張っていたその戦いも、終了間際に近鉄ゴール前から東芝が右に素早くオープンに展開し最後はWTB廣瀬俊朗が今日2本目、ボーナス点がはいる貴重なチーム4本目のトライを上げ、雨中の決戦は東芝が制した。今季開幕負け無しと波に乗る近鉄であったが、終わってみればその近鉄をノートライに抑えた、東芝個々のディフェンス力が勝った試合結果といえよう。(勝又 修) |
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◎近鉄ライナーズ
○前田隆介監督
「本日は天気の悪い中、大阪からもファンに来てもらって応援を頂き、ありがとうございました。試合は東芝のボールキャリアをシャットダウンしきれずにゲームを進められてしまいました。但し、近鉄も悪くない内容だったと思います」
──雨で展開しにくかったと思いますが、ゲームプランはどのように考えていましたか。
「練習でやってきた方針通りです。本日は天候も悪い中で、選手はストラクチャーを変えずによくチャレンジし実行したと思います」
──今後に向けては、どのように修正していきますか。
「当チームは今シーズン4試合目ですが、うち3試合が雨でした。もう少しいい天候でできればいい形に持っていけると思いますが、やっていること自体は間違っていないと考えています。
ひとつひとつのプレーでは、相手をきちんと仕留めるところまで、さらにプレーの精度を高めるようにしたいと思います」
○高 忠伸キャプテン 「本日は見に来て頂いたファンの方々、ありがとうございました。
ゲームとしては負けましたが、内容面ではあまり悲観する必要はないと考えています。東芝はフィジカルが強く、本日のようなフィジカルラグビーはいい経験でした。今後の糧にしたいと思います」
──今シーズンのこれまでの3試合に比べ、東芝のディフェンスには圧力を感じましたか。
「東芝のディフェンスは日本一です。ディフェンスには個々の強さを感じました。また、本日はスタジアムが小さい事など東芝にはやや有利だったかもしれません。この点からも、我々は現状に悲観する必要はないと考えています」
──東芝は前半リズムがよくなかったので、前半できちんととっておきたかったと思いますが、いかがですか。
「前半攻め込んだところでトライを獲っていればゲームの流れは変わっていたと思います。キックの飛びすぎ等、単純なミスもありました。ただ、そういった面とは別に、80分間全体にわたってみてみれば、フィジカル面で相手を崩し切れなかったところが敗因だったと思います」
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◎東芝ブレイブルーパス
○和田賢一監督 「本日は雨の中、東芝のファンの方、近鉄のファンの方もスタジアムに来て頂いてありがとうございました。悪天候の中、東芝が勝てたのは選手一人一人がよくやってくれたからと思います。最初はレフリングの解釈の違いから戸惑う局面もありましたが、選手は結果を出してくれました。近鉄戦に備え、今週はメンバー外の選手も参加して激しい練習をこなしてきましたが、これらメンバー外の選手たちもよくやってくれたと思います」
──本日の勝利で開幕以来4連勝となりますが、いかがですか。
「嬉しく思っています。選手はプレーひとつひとつをひたむきにやっており、成長しています。これがチームとしての結果につながっています。ただ、今シーズンもまだ始まったばかり、次のNTTコミュニケーションズ戦を頑張りたいと思います」
──やや反則が多かったのではないかと思いますが。
「ブレイクダウンで東芝が倒れているとの内容でしたが、近鉄の圧力を強く受けて倒れてしまった面と、東芝側からしつこくファイトを仕掛けたために生じた面の両面があったと思います」
──近鉄も東芝と同じく開幕以来3連勝で本日の試合に臨みましたが、どのように戦う方針でしたか。
「近鉄は我慢強いプレーとブレイクダウンでのファイトが特色でしたので、東芝側でもこれにしっかり対抗していこうと考えました」
──戦ってみて、昨年の近鉄と印象の違いはありましたか。
「もともとフィジカルは強いチームでしたが、今年はこれに加えて、チームが規律を守っている点が特徴的でした。実際、ペナルティは半分になっていると思います」
○豊田真人キャプテン 「本日は悪天候の中、ファンの方には応援頂きありがとうございました。先ほど監督からも話がありましたが、今週はメンバー外の選手も大勢入って激しい練習をしてきました。これで近鉄ともいい勝負ができたのだと思います」
──今日の近鉄との戦いの印象は。
「フォワードはブレイクダウンで激しくファイトする事ができたと思います。このゲームの展開はブレイクダウンにかかっていると考えていました。次の試合も頑張りたいと思います」
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