トップリーグ 2018-2019 weekly preview:開幕節<後編>
豊田ではいきなりの大一番、トヨタ自動車対サントリー
ヤマハ発動機はコカ・コーラ戦、リコーはHonda戦で開幕
Text by Kenji Demura
開幕節プレビュー後編は、9月1日に行われる4試合に関して。
愛知・豊田スタジアムで2試合、東京・秩父宮ラグビー場で2試合の開催となる。
豊田の第1試合はヤマハ発動機ジュビロとコカ・コーラレッドスパークスの対戦(16:30)。
優勝にこそ届いていないものの、2014 – 2015シーズン以来、4強入りをキープし続けているヤマハ発動機。
「こだわり続けているセットプレーを軸にして、そこからいいアタックをしていく」(NO8堀江恭佑主将)という“ヤマハスタイル”は今季も変わらないが、昨季まで14年間ヤマハ発動機の司令塔を務め続けたSO太田尾竜彦が引退し、日本代表CTBマレ・サウもトヨタ自動車に移籍。
大黒柱FB五郎丸歩こそ開幕戦のスタメンに名を連ねたものの、新顔や若手が多く並んだBKがどのように「いいアタック」をしていくのか。FWにも身長208センチの超大型LOリチャード・アーノルドが加わるなど、新バージョンのヤマハスタイルのお披露目試合となる。
対するコカ・コーラは2013-2014シーズン以来、5季続けて入替戦にてトップリーグ残留といった苦しいシーズンが続いている。
特に昨季はNTTドコモに勝った1勝だけで何とか自動降格を免れ、入替戦でも引き分けで辛くも残留と、これ以上ないと言っていい低空飛行だった。
チームスローガンの「DASH」という言葉どおりの開幕スタートを切って、昨季までとは違うシーズンとするきっかけをつかみたいところ。
日本代表でもコンビを組むウィリアム・トゥポウ – ティモシー・ラファエレのCTBコンビでミッドフィールドを固めた上で、ボールを動かすスタイルでトライを量産したい。
豊田スタジアム第2試合は昨季7シーズンぶりに4強入りを果たしたトヨタ自動車ヴェルブリッツが王者サントリーサンゴリアスを迎える、開幕節切っての注目の一戦(19:00)。
トヨタ自動車はなんと先発15人中9人が、この試合で初めてヴェルブリッツの一員としてトップリーグでプレーすることになる。
「フィジカルを前面に出して、速いBKでも勝負。トヨタの新たな歴史を作るために、FW、BK一体となった自分たちのラグビーをやり通す」(FL姫野和樹主将)
昨季はサントリーに31-32で惜敗しているが、新しい布陣でいきなり地元での王者討ちを果たして勢いに乗りたいところ。
一方のサントリーSH流大主将は「例年以上に激しい練習を積み重ねてきた」と胸を張る。
PR堀越康介、CTB梶村祐介、WTB尾崎晟也という期待の新人たちが揃って先発に名を連ねている。ハードワークを経て開幕メンバー入りを果たした。チャンピオンチームはさらなる進化を遂げて開幕を迎えることになりそうだ。
いきなり開幕節にして内容的にはファイナルにも匹敵するような緊迫感溢れる試合となることは間違いないだろう。
NECは新ハーフ団で豊田自動織機を迎え撃つ
秩父宮の第1試合はNECグリーンロケッツ対豊田自動織機シャトルズ戦(16:30)。
昨季、日本代表ハーフ団が揃ってチームを去る中、「UNITY(団結)」というチームスローガンを体現するような、まとまりあるプレーぶりで6勝を挙げたNECは、7季ぶりとなる4強入りを狙うシーズンとなる。
「『団結しているな』というのをアピールしながら、トップ4という結果を出していく。そのためには、開幕戦は絶対落とすことはできない」(CTB森田洋介共同主将)
チームプレーに徹するハードワーク集団を新人SH中島大希とニュージーランド代表SOスティーブン・ドナルドという新ハーフ団がどう引っ張っていくかも注目される。
昨季の12位からトップ8入りを目指す豊田自動織機。
「昨季までベースを高めてきたDF力に、今年は春からアタックの改善に取り組んできた」(FLスコット・フグリストーラー共同主将)というアタッキングラグビーで、伝統的に堅守を誇るNEC相手に勝利をものにできれば目標達成が見えてくる。
第2試合は1シーズンでのトップリーグ復帰を果たしたHonda HEATが昨季あと一歩で4強入りを逃したリコーブラックラムズにチャンレンジ(19:00)。
「目標はトップリーグチャンピオン。そのために、1戦、1戦勝ちに行く」(リコーCTB濱野大輔主将)
「開幕戦が一番大事。どこのチームに対しても自分たちのラグビーをしっかりやって、後半粘り勝つ」(Honda FL小林亮太主将)
2016-2017シーズンはリコーが34-10で勝利を収めているが、2015-2016シーズンでは逆にHondaが24-18で勝っている。
短期決戦になるだけに、各チームが死に物狂いで勝ち点を取りにいくガチンコ勝負ばかりとなりそうだ。
日本ラグビーを勢いづけるのは、俺たちだ。
ジャパンラグビートップリーグ2018-2019をお楽しみ下さい。