ジャパンラグビートップリーグ2018-2019実施概要をチェック!<太田治 部長インタビュー 後編>
10月20日には熊谷ラグビー場のこけら落とし
ベイブレード、ハードロックカフェとのコラボも
ジャパンラグビー トップリーグ2018-2019がどのようなかたちで実施されるのかを詳細に紹介する、太田治・日本ラグビーフットボール協会トップリーグ部 部長とのQ&A。後編では、現在予定されているイベント等に関しても紹介する。
(聞き手&構成 出村謙知)
──リーグ戦が短くなることにより、各チームの戦い方、調整の仕方などが変わってくる可能性もありそうです。
太田「7節のカンファレンス戦で上位(4位以上)に入るかどうかが優勝の条件となる短期決戦だけに1勝の重みが大きくなるので、前半戦から濃いゲームが多くなるのではないでしょうか」
──これまでは、シーズンを戦いながらチームをつくり上げていくような面もあったのが、いきなりトップモードでのシーズンインするチームが多くなるかもしれませんね。
太田「そうなると思います。各チームが開幕をターゲットにしてくる。8月31日、9月1日の第1節でどういう内容の試合ができるかがものすごく大切になってくる」
──カンファレンス戦4位以内に入らないと優勝の可能性がなくなる一方で、カンファレンス5位以下になった場合は、9〜16位決定トーナメントで降格を避けるための厳しい戦いにもなりますね。
太田「今季はレギュラーシーズンが短いため、自動降格はありません。12月の総合順位決定トーナメントで13〜16位となった4チームはトップチャレンジリーグの上位4チームと来季トップリーグで戦う権利をかけた入替戦に臨むことになります。入替戦は総合順位決定トーナメント最終節の翌週、12月23日に行う予定となっています」
──優勝を争う1〜8位決定トーナメントだけではなく、9〜16位トーナメント、そして入替戦も含めて、12月は熱い試合の連続となりそうです。そして、年明けの1月にはカップ戦の最終順位決定トーナメントが2節にわたって行われる。
太田「繰り返しになりますが、このカップ戦の総合順位決定トーナメント2節が、RWC2019に向けた日本代表入りのラストチャンスになる。
そして、昨シーズンは実施できなかったチャリティーマッチに関しても、今シーズンは是非実行したいと考えてもいます」
秩父宮FMは、よしもとと連携
ハーフタイムに対戦選手同士で「3、2、1、ゴ〜シュ〜」?
──リーグ戦のレッド、ホワイトのカンファレス分けは昨季の成績に準じて分けられているようですが、その一方で、カップ戦はリーグ戦で対戦しないチーム同士を集めたような印象ですが。
太田「それは意図しています。カンファレスでの対戦がないチームが同じプールになるようにしてあります。シーズントータルで見た時に対戦しないチームを極力少なくしようと配慮したプール分けになっています」
──これまでも、多くの世界トップクラスのスター選手がプレーしているトップリーグですが、今季は神戸製鋼にSOダン・カーターが加わるなど、その流れはますます加速しています。
太田「実際に来年のラグビーワールドカップで活躍するようなトッププレーヤーにレジェンドたちも加わって、世界的にみてもレベルの高いラグビーを提供できるリーグになっていると思います」
──まさに、今年のトップリーグはワールドカップの前哨戦の意味合いを持つことにもなりそうです。実際にラグビーワールドカップで使用される新スタジアムでの試合も組まれていますね。
太田「10月20日は熊谷ラグビー場のこけら落としになります(パナソニック-キヤノン戦)。客席も上の方は角度があって、とても見やすいし、欧米のトップクラスのスタジアムに匹敵する施設と言っていいでしょう。岩手・釜石の鵜住居復興スタジアムでは、こけら落とし自体は8月19日に行われた釜石シーウェイブスとヤマハ発動機戦ですが、キヤノン-コカ・コーラ戦(10月7日)が予定されています」
──もちろん、新設スタジアム以外でもワールドカップを迎えるラグビーの認知度を上げるイベントも数多く予定されている。
太田「開幕節では昨季4強のトヨタ自動車が優勝チームのサントリーを迎えます(9月1日)。会場の豊田スタジアムはワールドカップ会場でもあり、トヨタ自動車としてはたくさんの観衆で盛り上がる中、是が非でもものにしたい試合となるでしょう。また、ワールドカップ会場ではないものの、NECの千葉・柏の葉、豊田自動織機の愛知・刈谷など、ホームゲームを意識した試合も多く組まれています」
──ワールドカップでラグビーにスポットが当たりやすい状況の中、従来のラグビーファンに加えて、新たなファン層の獲得にも積極的に取り組んでいる。
太田「ベイブレードや秩父宮FMとよしもととのコラボ、ハードロックカフェとのチャリティパートナーも予定されています」
──「3、2、1、ゴ〜シュ〜」のベイブレードですか?
太田「ベイブレードをカスタマイズするためのトップリーグのオリジナルシールをつくる予定で、試合会場でもベイブレード大会を開催する計画もあります。若手の中には、子どもの頃、ベイブレードに熱中した選手もいるだろうし、ハーフタイムなどに両チームの選手同士がベイブレードで対戦する企画などもいいかもしれません。トップリーグ会場で親子が目一杯楽しんでもらえればと」
──ハードロックカフェとのチャリティパートナーもインパクトがありそうですね。
太田「オリジナルTシャツやピンバッジをチャリティのため、トップリーグ会場で売り出します。ハードロックカフェ&トップリーグのオリジナルTシャツで「ROAD TO BRAVE BLOSSOMS」『JAPAN』という文字も入る予定です。ご存じのとおり、ハードロックカフェのオリジナル商品は都市名がつくのが基本ですが、チャリティということで、特別に『JAPAN』と入れられることになりました。TRY FOR GREEN。被災地や合宿地の植林活動に賛同いただいて実現したものです」
──日本だけではなく、世界中にいるハードロックカフェのファンからも話題となりそうですね。
太田「ワールドカップ前哨戦として、試合内容でも、イベント的にも、国内、海外問わず注目されるトップリーグを目指します」