ジャパンラグビートップリーグ2018-2019実施概要をチェック!<太田治 部長インタビュー 前編>

今季は8月31日(金)に4会場(東京=秩父宮、町田、大阪=金鳥スタ、神戸=ユニバ)での開幕となる photo by Kenji Demura

今季は8月31日(金)に4会場(東京=秩父宮、町田、大阪=金鳥スタ、神戸=ユニバ)での開幕となる
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8月31日開幕のリーグ戦は7節+順位決定戦3節の短期決戦
新しい試みのカップ戦は11月に3節+1月に順位決定戦2節

開幕まで3週間あまりに迫ったジャパンラグビー トップリーグ2018-2019。
地元開催のラグビーワールドカップ2019(以下、RWC2019)を翌年に控え、今季は過去のシーズンとは異なるかたちでの実施となる。
短期決戦が色濃くなるレギュラーシーズンのリーグ戦に加えて、新たに「ジャパンラグビー トップリーグ カップ2018-2019(仮称)」(以下、カップ戦)も創設。
世界的スターもさらに加わり、RWC2019前哨戦の意味合いも大いに感じさせるトップリーグ2018-2019はどのようなかたちで進んでいくのか。
太田治・日本ラグビーフットボール協会トップリーグ部 部長に対するQ&Aで詳細に紹介する。

(聞き手&構成 出村謙知)

太田治トップリーグ部長 photo by Kenji Demura

太田治トップリーグ部長
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──まずは、レギュラーシーズンがどんなかたちで進んでいくのか説明してください。

太田「レギュラーシーズンでは、16チームを8チームずつふたつのカンファレンス(レット/ホワイト)に分けてリーグ戦を行います。計7節にわたるカンファレンス内総当たり戦の後は、順位決定トーナメント(計3節)に移行し、最終順位を決定します」

──順位決定トーナメントとは?

太田「レッド、ホワイト両カンファレンスの上位4チームずつが1〜8位決定トーナメントに、同じく各5〜8位のチームが9〜16位決定トーナメントに進み、それぞれ“クォーターファイナル、セミファイナル、ファイナル”形式のトーナメントを行います。勝ったチーム同士だけではなく、負けたチーム同士も第3節まで試合を行い、最終順位を決定します。
1〜8位決定トーナメントで3節を勝ち切ったチームがジャパンラグビー トップリーグ2018-2019優勝チームということになります」

──実際のレギュラーシーズンのリーグ戦の日程はどのようなかたちで進んでいきますか?

太田「レギュラーシーズンのリーグ戦は8月31日に開幕して、9月22日まで毎週末リーグ戦を計4節開催し、1週間のブレイク(9月最終週末)の後、10月の第1〜3週末に5〜7節を行います」

──順位決定トーナメント戦の日程は?

太田「ウィンドウマンス(テストマッチなど代表チームの活動を優先する期間)開けの12月第1週末から3週末まで連続で行います。ジャパンラグビー トップリーグ2018-2019優勝チームを決めるファイナルは12月15日の予定です」

──年内にリーグ戦および最終順位決定トーナメントを終えるというスケジュールになったのは、翌年に地元開催のラグビーワールドカップが行われるからでしょうか。

太田「その通りです。今シーズンはRWC2019の前年であり、トップリーグとしても日本代表強化に全面的に協力するのは当然のこと。年明けには、代表強化に直結するサンウルブズの活動も始まるので、年内にトップリーグシーズンを終える特別フォーマットでの開催となります」

代表選手以外のメンバー構成で行うカップ戦
RWC2019へのラストチャレンジの意味合いも

──今季はリーグ戦以外に、新しい試みであるカップ戦も予定されています。

太田「11月のウィンドウマンスに代表選手を除いたかたちでプール戦(4チームずつ4プール)を3節行い、年明けの1月に順位決定トーナメント2節という日程になります」

──なぜ今季新たにカップ戦を創設することになったのでしょう?

太田「今季予定されているリーグ戦はレギュラーシーズンが7節。それから順位決定戦が3節。それだと、トップリーグの試合は計10節だけとなってしまう。これまで、トップリーグとして最低でも年間15節は試合があったので、各チームの強化、トップリーグ全体の底上げという観点から言うと、10節で終わるというのは厳しい。
もちろん、日本代表強化に全面的に協力するのは当然だし、そのためにトップリーグができることは何だろうと考えた時に、レギュラーシーズンを短くするのは致し方ない面があるものの、代表強化スケジュールとは別にトップリーグ全体の底上げという観点から出てきたのが、代表選手以外でカップ戦を行うというアイデアです」

──今季のトップリーグはレギュラーシーズンのリーグ戦に、カップ戦も加えた2冠を争うシーズンになるということになりますか?

太田「トップリーグタイトルとしてはあくまでもレギュラーシーズンのリーグ戦で1位(総合順位決定トーナメント1位)になったチームが優勝ということになりますが、カップ戦優勝チームももちろん表彰することになります」

──カップ戦では各チームが代表からプロテクトのかかっている選手抜きで戦うのでしょうか?

太田「基本的には代表選手以外での開催となります。そして、外国人枠、特別枠等の制限もないかたちで行います」

──シーズンの試合数を確保する要望は各チームからも多かったのでしょうか。

太田「やはり、『強化を継続したい』、『選手たちの経験値を上げたい』という声は多かったですね」

──主力に代表組を多く抱えるチームなどでは、普段出場機会に恵まれないような若手選手などにもチャンスが出てきそうです。

太田「カップ戦をつくったのは、現在代表に選ばれていない選手、怪我やコンディションなどで選ばれていないものの、回復具合によってはすぐにでも選ばれる可能性のある選手の出場機会を増やすことであり、そういった選手達にとってのRWC2019への最終チャレンジの場としてまず捉えてほしいですね。
一方で、あるいは2019年は難しいかもしれないけれど、(RWC2019の次のラグビーワールドカップ 開催年である)2023年に十分に日本代表として活躍してくれる将来性を持った選手のプレー機会の確保という面も大きいのは確かです。次世代の選手が出てくることを期待していますし、もしかしたら、カップ戦での活躍が高く評価されて、その後、日本代表に招集されるなんていうことが起きるかもしれません」

──来季以降もカップ戦を継続する計画はあるのでしょうか。

太田「計画としてはあります。代表強化の観点から言っても全体の底上げは必須ですし、来年以降も考えていきたいと思っています」

(以下、後編に続く)

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