トップリーグ 2017-2018 第13節 レポート(クボタ 23-17 NTTコ厶)
ジャパンラグビー トップリーグ 2017-2018 第13節
2017年12月24日(日)13:00キックオフ/千葉・フクダ電子アリーナ
クボタスピアーズ 23-17 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
曇天の空の下、ジャパンラグビー トップリーグ第13節クボタ スピアーズ対NTTコミュニケーションズ シャイニングアークスの試合が行われた。期せずして「クリスマスイブ」の今日、ビッグなプレゼントを手にするのはどちらであろうか。
試合はキックオフ早々からクボタが素晴らしいラグビーを展開し、試合をリードする。HB団の落ち着いたゲームメイクにより試合を支配し、確実にエリアを獲得した。8分、18分、27分とSO森脇がペナルティゴールを決め、9-0とリードする。その後のNTTの攻撃を確実なタックルと規律あるチームディフェンスで封じ込め、逆に30分、見事なハイパントキャッチから右オープン攻撃、FB合谷の素晴らしいパスを受けたCTBマプーが30メートルを独走し、中央にトライ。ゴールも成功し、0-16と大きくリードを広げた。スコアが示す通り、前半は完璧なクボタのゲームであった。特に反則ゼロは特筆に値した。
後半はNTTが逆襲に転じる。後半開始に投入されたFWマフィが効果的に機能し、3分にマフィ、7分に鶴田と連続トライを奪い、10-16とスコアを縮める。その後、お互いに激しいブレイクダウンの攻防が繰り広げられ一進一退の中、ついにNTTがリードを奪う。27分、クボタの攻撃からボールを奪い、カウンターアタックを仕掛け、NO8ブリッツがトライを奪い、難しいゴールもヤンチースが成功し、17-16とゲームを逆転した。30フェイズ以上も笛が鳴らないお互いの激しい攻防の中、奪ったトライだけにこのまま試合の趨勢は決したかに思われた。
しかし、31分この試合を決定づけるビッグプレーが生まれる。反撃に転じたクボタは、キックオフから猛然と前に出たFWが相手ボールを奪うと、裏のスペースにCTB立川が見事なゴロパントを蹴り、追走したCTBマプーがキャッチしてトライ、FB合谷が難しいゴールも成功させ、23-17と試合を再逆転した。その後クボタは、NTTの必死の反撃を落ち着いた規律あるチームディフェンスで凌ぎきり、試合終了のホーンが鳴った。
果敢にオープン攻撃と密集サイドを攻め続けたNTTコミュニケーションズとチームの規律で戦い続けたクボタ スピアーズ。本日の試合はラグビーのいう競技の面白さが80分間に凝縮された好ゲームであった。素晴らしい個々のパフォーマンスを見せてくれた両チームのプレイヤーとここまでしっかりとした準備をした両チームのスタッフに心から感謝したい。きっと忙しく動き回るサンタクロースも足を止めたことだろう。(千葉県ラグビー協会 塚越 康利)
クボタスピアーズ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ
「シーズンの集大成とでも言えるゲームであった。前半はディフェンス・オフェンスともにポイントを絞っていた点が良くできていた。ところが、後半の最初はダメな面が出てしまったが、それを自分達の力で再び逆転できた点は良くできたと考えている。特にインパクトとして投入した選手が、効果的にゲームに入っていった。彼らは非常にいい仕事をしてくれたと考えている」
立川理道キャプテン
「前半はオフェンス面で効果的にスコアを重ねることができたと思う。逆に後半はプレッシャーを受け、スコアも縮まって焦ってしまったが、逆転することができ、チームの強さを再確認できた」
──後半、逆転された後のコメントは?
「自分達のアタックをしようと再確認した。よく逆転できたと思う」
──前半と後半のゲームの違いについてはどう考えているか?
「何を準備したかを考え、最初からしっかりとゲームには入れた。ディフェンスも含めて後半は自分達の問題だ。相手に勝手に合わせる面が出てしまった」
──フランカー7番末永はアマナキ・レレイ・マフィに4回もタックルに入った。流れを変えたと思うが?
「彼は真摯によくやってくれている。チームに不可欠な選手だ」
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ロブ・ペニー ヘッドコーチ
「まずクボタの素晴らしい準備とメンタルに敬意を表する。前半我々のメンタルはまるでダメであった。後半に入りよくなったが、0-16というスコアでは勝てない。さらに今シーズンのスケジュールについてだが、勝ち点31のわれわれが、他の勝ち点の少ないチームより下位に順位づけられている。全チームと試合が無いのは残念だ」
金正奎キャプテン
「本当にメンタルがダメだ。前半の40分は相手のインテンシティが高かった。0-16がすべてだ。準備はいいがメンタルがダメで、やりたいことができない。リーダーの問題なのか…。強くメンタルを持ちたい。申し訳ない気持ちだ」
──後半逆転した後に、すぐに逆転されたことについては?
金キャプテン
「そこは前半のスコアがすべてだ。ラグビーはトライを奪った後のキックオフが大事なことは誰でも知っている。その通りだ」
──スクラムはどうだったか? レフェリーとのコミュニケーション、相手はどうだったのか?
金キャプテン
「スクラムに自信はあって練習した。しかし、最初の1本2本でコミュニケーションも含めて、対応ができなかった。途中からは修正できたが、満足できなかった」
ペニー ヘッドコーチ
「若干違うレフェリーの見解もあった。リーダーはペナルティのアドバンを狙うはずだ」
──レフェリーの判断にもよるが、後半についてはどうか?
金キャプテン
「シンプルにタックルをした。最初からやれば良かった。大きな反省点だ」