トップリーグ 2017-2018 第12節 レポート(パナソニック 50-7 リコー)
ジャパンラグビー トップリーグ 2017-2018 第12節
2017年12月17日(日)14:00キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
パナソニック ワイルドナイツ 50-7 リコーブラックラムズ
リコーブラックラムズ
神鳥裕之監督
「我々もベスト4という目標に対して、大きなチャンスをつかめるような試合であったのですが、前半で勝負がついてしまうような結果になってしまったことは非常に残念です。パナソニックさん強かったです。我々としてはやろうとしたことを前半まったくやらせてもらえませんでした。パナソニックさんが強みとするアンストラクチャーをたくさんつくってしまったりブレイクダウンのところでかなり絡まれて、アタックでは球出しができなかったり、強みとするディフェンスの部分でもしっかりゲームメイクができずに簡単にラインブレイクされてしまいました。そういう状況を作られたパナソニックさんの強さに今日は脱帽です。後半は意地をみせてロースコアで行けたことはポジティブに捉えて、リーグ戦まだ終わっていませんから、次のキヤノン戦に向けていい準備をして臨み、いいかたちで準決勝にもっていきたいと思います」
馬渕武史キャプテン
「目標にしていたトップ4ということで、絶対に勝つという気持ちで試合に臨んだのですが、非常に残念です。チャレンジャーとして、パナソニックさんより先に仕掛けて優位に試合を運びたかったのですが、逆にそれをパナソニックさんにやられてしまったのかなと思っています。次のキヤノン戦に向けてこの1週間、いい準備をして臨みたいと思っています」
──ここまでパナソニックを想定して準備をしてきたと思いますが、実際にやってみて感じたパナソニックの強さというのはどんなところですか?
馬渕キャプテン
「ブレイクダウンのところが他のチームとレベルが違ったなと思いました。アタックしていても、少しサポートが遅れるだけで、ジャッカルに入ってきて、ターンオーバーされるところとか、そういうところからなかなかうちのアタックのリズムをつくれなかったなと思います」
──いろいろな相手と戦う中で、一番チームの成長として感じているのはどんな部分ですか?
神鳥監督
「今日の試合ではあまりよくなかったのですが、ここに至るまでの試合ではディフェンスについては非常に評価している部分です。非常に粘り強くなったというか、特に1対1のタックルだけでなく、リロードの部分であったりワークレイトの高さであったりというのは今シーズン安定して戦えている要因だと思います。ただ、今日の試合ではそういった部分も通用しなかったので、もっともっと高めていかなければいけないと感じています」
──後半は接戦に持ち込むことができていました。ハーフタイムでの指示やキャプテントークなどで修正した部分があるのでしょうか?
馬渕キャプテン
「前半うちらしくないラグビーになってしまったので、フィジカルの部分でしっかりやろう。具体的にはブレイクダウンのところは早くしっかりサポートしようということは話しました」
パナソニック ワイルドナイツ
ロビー・ディーンズ監督
「まずは今日の結果を大変嬉しく思っております。今日の試合は大変厳しい試合になるだろうという予測をたてていました。我々が先週1位通過でプレーオフ進出を決めたということと、リコーさんはすべてをかけてこの試合に臨んでくるということを覚悟していましたので、難しい試合になるということを考えていました。結果として、我々の選手たちが非常にいい試合の入りをしてくれて、前半リコーさんがやろうとしたことをやらせずに、うちが得点を重ねることができて、前半のうちに勝負を決めてしまえたというのはわれわれにとっては大切なことだったと思います。
今日の前半では我々がこれからプレーオフを戦っていく上で、いい兆候やいいプレーを見ることができましたので、それについてはよかったと思います。ただ、後半は得点を奪うことができなかったので、リコーさんが力を出してきたということと我々が集中力を欠いてしまったという両方の側面があるのかなと思います。我々の方に後半けが人が多く出てしまった、それが後半のパフォーマンスが落ちてしまった要因かなと思っています。
また、リコーさんが後半、このまま終われないということで前半以上の力を出してきたというのが、後半我々がおもうようなゲームができなかった要因であると思います」
デービッド・ポーコック ゲームキャプテン
「前半よいスタートがきれて、効率のよい連続攻撃ができました。相手のミス、あるいはターンオーバーなど一番よいかたちでプレーでき、前半はとてもよかったと思います。後半はそれほどよくなかったのですが、その中でもリコーさんの素晴らしいアタックに対し、フェイズを使いながら、粘り強くディフェンスできたのは評価できるところだと思います」
──前半風上になったとおもうのですが、センターの二人の選手が前に出て、トライを取りきるという場面が印象的だったのですが、その部分はどのように感じていますか?
ディーンズ監督
「われわれはうまくアタックに勢いというものをつくることができていたと思います。相手がミスを犯した場面で我々が効果的なアタックにつなげることができたというところは非常によかった部分だと思います。風の影響はそれほどなかったのではないかと思います」
── 今後に向けてよい兆候がみられたとのことでしたが、具体的にはどのようなところでしょうか?
ディーンズ監督
「いい兆候としては、スキルだったり、ゲームスピードだったりというところになります。高いスキル、早いスピード、そういったことを非常に楽にできているなという印象があったのはとてもよかったと思いますし、これからプレーオフを戦う上では強みになってくれると思います。それに加えて、今日犯してしまった反則の部分(ディシプリン)はよくなくて、修正していかなければいけない部分だと感じています。
リコーさんは今季、どのチームとも競った試合をしている非常にディフェンスのよいチームであると考えています。そういう意味で今日の前半の我々のパフォーマンスはとてもよかったと捉えています」
──今日の試合はどのようなセレクションポリシーで臨んだのか。
ディーンズ監督
「我々は選手たちをうまくローテーションさせながらこのシーズンを戦っています。今日の試合では、日本代表に選ばれていた選手たちを多く使い、よいパフォーマンスを見せてくれました。
コリー(ホラニ龍コリニアシ選手)について言えば、彼自身しっかり自分のからだをマネージメントしていますし、その中でトライもとったわけですが、リーダーシップの部分でも非常に大きな役割を果たしてくれたと評価しています。コリーが隣でプレーしてくれると他の選手たちも大変大きな自信をもってプレーできると思います。
──権裕人選手は今日がデビュー戦でしたが、どういうところを評価して今日起用したのか、またパフォーマンスをどう評価しているか教えてください。
ディーンズ監督
「今日、彼を起用したのは、このレベルでしっかり戦える準備ができるということを練習の中で見せてくれたということです。彼自身、いくつかの大きな怪我をしてここにくるまで時間がかかってしまったわけですが、彼にはまわりにいい選手がいる中で、自分のプレーに集中できるように今日のようなゲームに選んだということです。
彼はいつも、まわりを笑わせてくれたり楽しませてくれる役割、キャラクターをもった選手です。彼自身、大変よいパフォーマンスだったと思いますし、そういったパフォーマンスがみられて大変嬉しく思いました。
試合前に、彼がベリック・バーンズに言った言葉で、『これまで(パナソニックの)素晴らしい選手を相手に練習をやってきたので何も恐れることはない』という言葉を残しているということを聞きました」