トップリーグ 2017-2018 第9節 レポート(パナソニック 21-10 サントリー)
ジャパンラグビー トップリーグ 2017-2018 第9節
2017年10月21日(土)13:00キックオフ/埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
パナソニック ワイルドナイツ 21-10 サントリーサンゴリアス
サントリーサンゴリアス
沢木敬介監督
「パナソニックさんよりもチャンスの回数はサントリーのほうがあったと思うが、そのチャンスを仕留められなかったことが自分たちの未熟さ、まだまだ弱い。
もう一回1か月間で、どれだけチームが成長できるか楽しみだし、そこにしっかりチャレンジしていきたい」
流大キャプテン
「サントリーがまだまだ弱くて、パナソニックさんのほうが強かったということ。チャンスはあったが、そこを仕留めきれず、スキルや判断などが未熟で、こういう結果になった。
負けたことは悔しいが、この負けを大事なものにして、チーム全体で共有して、もう一度僕達がチャレンジャーだということを再認識した試合だった。
今季ステイハングリーを掲げてきたので、もう一回自分たちが何をしないといけないのか、原点に立ち返る良い機会になった」
──ポーコック選手にペナルティを含めて絡まれていたが?
流キャプテン
「(ポーコック選手は)素晴らしいジャッカルをしていたと思う。
その対策はしていて、それができた時はジャッカルできてないと思うが、ソフトなチェイスをしたり、自分たちがやろうとしてきたスキルができてない時に、すべて取られているので、まだまだ練習したことができていなかったと思う」
──うまくいった部分とうまくいかなかった部分は?
流キャプテン
「相手のキープレーヤーのハーフ団、田中選手(SH)とバーンズ選手(SO)にプレッシャーを掛けようとした。田中選手については、ラインブレークされたりと、あまりプレッシャーになっていなかったが、バーンズ選手に対しては、ハイボールを上げてスマッシュするというように、プレッシャーをかけられたと思う。
スペースはたくさんあったにもかかわらず、天候の事もあったが、仕留めきれなかったのが一番うまくいかなかったこと」
──ゲームプランはうまくいっていた?
沢木監督
「前半は自分たちがやろうとしているゲームプランは、ある程度できていた。後半のモールでは、ペナルティを取りきれなかった。
あそこで、しっかりレフリーの特徴とか傾向を理解して、モールを組むのがベストなのか? ボールを出すのがベストなのか? そういう判断も必要になってくるので、その点も含めて成長していきたい」
──アタックの準備で心掛けていたことは?
沢木監督
「パナソニックさんのラインディフェンスの特徴を見て、必ず空きスペースというものがある。そこをしっかりと自分たちが分析して、そこに対してうまくボールを運んでいたと思う。
後半も同じように空いていたが、そこでパニック、プレッシャーに負けて正しい判断ができなかった」
──今日の負けをどう捉えているか?
沢木監督
「弱いから負けた。
人間は失敗して成長するものなので、この負けをプラスにできるように自分たちのスタンダードを見直したい。負けなければ気付かないことが絶対にあり、そこを今日の試合で気付いたと思う。これまで以上にしっかりハングリーにチャレンジしたい」
──パナソニックと次回対戦する場合は、どう戦う?
沢木監督
「もう一度しっかり自分たちのラグビー、スペースにチャレンジする。
パナソニックさんのラグビーと自分たちのラグビー、チームとしてどちらが信じ切ってやれるかだと思う。もう一度、強いパナソニックさんに対してしっかりチャレンジしていきたい」
流キャプテン
「どこにも簡単に勝てる試合はないので、ウィンドウマンス明けの一試合目から、しっかりと良い試合ができるように準備するのと、今日負けたので、もう一度(パナソニックと)やりたい。
そこで勝つために、僕らのラグビーでスペースを攻める、アグレッシブに攻めるということを意識して練習する。後半特に、アタックしていって人数が減っていて、相手ディフェンスは人数が揃って立っていた。ハードワークとか、自分の意志で走るとか、その辺をチームに植え付けなければならないので、率先して僕からもやっていきたい」
──この天候や日本代表の関係で日程も少ない条件でどういう工夫をしたか?
沢木監督
「それはお互い同じ条件なので、自分たちができることを。
一番難しいのはコンディションのところ、それをいかに良い状況を作るかとメインに考えた。トレーニングの強度を調整するとか‥‥。
ウェットなグラウンドコンディションに対しては、自分たちはシンプルにスペースにしっかり攻める。それだけのスキルとディジションメーキング(意思決定)というのを、うちのラグビーをやるには必要になるので、そこはブレずに妥協しないでやっていきたい」
流キャプテン
「雨のコンディションという点では、特に後半スペースがあるのにチャレンジできていないとか、攻めようとしないのが問題だった。そこの判断とか、勇気というか、それを受け入れていきたい。コンディションについては、パナソニックさんとも同じ条件ですし、言い訳なしで」
パナソニックワイルドナイツ
ロビー・ディーンズ監督
「今日の結果は非常にうれしい。
我々にとって一つの鍵となる試合だったと思うし、プレーオフに進むためにも、どうしても必要な試合だった。今日はタフなゲームだったし、その中から学ぶことも非常に多かったと思う。天候というのも厳しい条件下ではあったが、そういうところもすべて含めて選手たちが良くやってくれた」
布巻峻介キャプテン
「雨天の中、試合開始前からたくさんの方に来て頂いて本当にうれしかった。
サントリーさんとの試合を楽しもうと言ってて、まさに僕らがしたい様な楽しいゲームができたと思う」
──キッカーを前半途中で変えた理由は?
ディーンズ監督
「戦術という意味合いはない。前半でバーンズ選手が足を打撲して、本人からキッカーを変わりたいということで代わった。他に何人も良いキッカーが居たことが幸いした。松田選手も、よくこういった試合で蹴ってくれたと思っている。
大切な状況の試合で、良く決めてくれたと思う。練習の中では一番キックの練習が少ない選手だったとは思うが、本当に良くやってくれた」
──学ぶことが多かったとは具体的には?
ディーンズ監督
「前半非常にタイトな試合になってしまったのは、自分たちがそういうゲームを引き起こしてしまった部分もあった。そこをしっかりと、後半ゲームマネージメントすることによって、修正できたということについてが学びだった。
こういった厳しい試合はここまで経験できなかったので、経験できたことが大きかった。練習の中でもこういう経験はできないので、そこは大きな学びだった」
──布巻主将を前半途中で出場させた意図は?
ディーンズ監督
「もともと決めていた戦略的な交代ではない。いろいろな怪我の状況がゲームの中であった中での起用だったが、非常に良い仕事をしてくれた」
──(布巻主将が)入る時に意識したことと、楽しいゲームができたというのは?
布巻キャプテン
「前半20分位で入るのは早いかな? と感じた。自分の身体を当てにいって、早くゲームに慣れようと思った。いつもの感じです。
楽しむということについては、練習では経験できないプレッシャーだったり、違う相手だったり、そういう環境の中で僕らがどういうプレーができるかというチャレンジに対してのワクワク感があった」
──後半終了前5分でのサントリーFWのアタックに対して、どのようにチームをまとめた?
布巻キャプテン
「特にモールで攻めてこられたが、FWとしては負けたくなかったので、FW勝負のところにフォーカスしていた。そこからラックになれば、チームディフェンスに戻れるので、それに関しては余裕をもってできた」
──今日の試合で一番嬉しかったことは?
ディーンズ監督
「今日について言えば、自分たちの成長をしっかり確信できた試合だった。結果のいかんに関わらず、自分たちにとっては負けはない。それは結果ではなく、負けのない試合だったと思うし、いろいろなことをテストできたので非常に良かったと思う。
コーチ目線でいうと、もちろん我々は勝ちたかったので、勝てば非常に嬉しいし、負けてもそこからたくさん学ぶことができた試合だった。結果として、勝ったこととたくさんのことを学べた。その両方を得ることができた試合だった」
──いろいろなことを学んだとは?
ディーンズ監督
「サントリーさんが、我々の状況判断の部分でいろいろな部分を出させてくれたし、そういったディシジョンメーキング(意思決定)のところで、学ぶことが多かった」
──22Mラインでの防御で意識したことは?
布巻キャプテン
「ディシプリン(規律)を保った状態で、ディフェンスし続けることは一つのポイントで、(自陣)22Mラインに入って熱くなる気持ちはあるが、それとは別に味方と常につながり続けることをし続けた」
──試合開始30秒で、トライを取った後どのように考えていたのか?
ディーンズ監督
「前半最初に早いタイミングでトライを取れたというのは、前の神戸製鋼戦の勢いがあったかと思うが、ああいう形でトライを取ってしまうと、その後タイトなゲームになるのはよくあることで、それが今回もそうだったと思う」
──布巻主将を途中出場させている意図は?
ディーンズ監督
「チームの状況によると思う。選手たちを、どこでどう休ませるか? とか、怪我の状況などすべて勘案してやっている。現状、布巻主将はベンチスタートしているが、リーダーとしても選手としても、後半から出てきてチームに勢いを与えて、リーダーシップを加えてくれるという、素晴らしい役割をしてくれている」
──22Mエリアでのペナルティマネジメントについては?
布巻キャプテン
「基本的に黙っている。黙っているというスタンスで何も言わない、それに尽きると思う。今日はそんなマネジメントで良いと思った。最初、レフリーチェックの時も何も言わなかったし、今日もレフリーを信じる日だと思っていた」
──ポーコック選手について。
布巻キャプテン
「意外と久しぶりでしたかね?(一緒に)試合したのは。タックルをちゃんと決めていれば、ポーコック選手がボールを取ってくれるという感じ。やってて僕も楽です」
──サントリーと再戦する場合、どんな試合をしたい?
布巻キャプテン
「もっとバチバチで。今日は雨だったし、ちょっとグラウンドを狭く使ってしまったので、もっとボールを動かして、お互いに見てて楽しいなと思ってくれる様な試合ができたら良いなと思う」
ディーンズ監督
「準決勝・決勝に進出できて、そこであと2試合しっかりとやりたい。その時の記者会見でいろいろと話します」