トップリーグ 2017-2018 weekly preview:第6節
text by Kenji Demura
今季最後のプレミアムな金曜ナイターはリコー対NECなど
土曜日の静岡エコパではヤマハ発動機 – 神戸製鋼の大一番も
天候不順も多かったとはいえ、まだまだ夏真っ盛りだった8月18日に開幕した今季のトップリーグ。
日本選手権を兼ねる順位決定トーナメントも含めると計15節となるシーズンのうち3分の1が終了。
ここまでは暑さ対策もあって主に夕刻以降に試合が組まれてきたが、ナイトゲームでの開催は今節が最後となる。
今季最後のフライデーナイターとなるのはリコーブラックラムズ – NECグリーンロケッツ(17:00)、東芝ブレイブルーパス – 豊田自動織機シャトルズ(19:30)。
“聖地”、東京・秩父宮ラグビー場での開催だ。
第1試合に登場するNECとリコーは共にここまで3勝2敗でホワイトカンファレンスの3位争いを続けている。
前節では共に福岡でのアウェーゲームで九州勢にしっかり勝ち切って、チーム状態が良好であることを示しただけに、好ゲームが期待できそうだ。
勝ち点1差でNECを抑えて同カンファレンス3位につけるリコーは、前節のコカ・コーラレッドスパークス戦では早い時間帯から数的優位な状況で戦える状況となったものの、前半は8—5と苦戦。
後半4トライを重ねて突き放したが、「前半の入りの部分を修正していきたい」と神鳥裕之監督が言う通り、立ち上がりからしっかり試合のペースをつかむような試合展開に持ち込みたいところだろう。
やはり、宗像サニックスブルースに対して、多くの時間帯を15人対14人で戦うことができたNECは、「FWがセットピースでしっかりやってくれた」(ピーター・ラッセルヘッドコーチ)ことで、安定感ある試合運びを見せて29—17で快勝。
両チーム共にディフェンス力にも手応えを感じていることもあり、コンタクトエリアでのディシプリン溢れる攻防も注目される。
秩父宮での金曜ナイター第2試合は東芝が4連敗、豊田自動織機は開幕から5連敗と、共になかなか勝ち星に恵まれない同士の対戦。
それでも、前節では東芝が神戸製鋼コベルコスティーラーズに対して後半27分まで、豊田自動織機もNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに対して後半15分まで、それぞれリードを奪うなど、上位陣に対しても対等以上に戦えている時間帯も少なくなかった。
もちろん、双方ともに勝ち星に飢えていることは間違いなく、ロスタイムでの逆転トライで豊田自動織機が劇的な勝利を収めた昨季の再現のような熱い試合になる可能性も大いにありそうだ。
サントリーは山梨で好調NTTドコモ戦
パナソニックは宮城でNTTコムと対戦
翌30日は静岡・エコパスタジアムでの1開催のみとなる。
第1試合(11:30)は、やはり今季ここまで共に勝ち星に恵まれていないキヤノンイーグルスとコカ・コーラの対戦。
そして第2試合(14:00)に控えているのが、今節一番の注目カードと言ってもいいヤマハ発動機ジュビロ – 神戸製鋼戦。
第3節で王者サントリーサンゴリアスに対して「選手の胸には『負け』はない」(清宮克幸監督)という内容で惜敗(24 -27)した1敗のみで、前節のキヤノン戦では前半だけで7トライを奪う破壊力も見せつけたヤマハ発動機。
一方、神戸製鋼も前節では東芝とのフィジカルバトルを終盤に逆転して全勝を守った勝負強さはここ数シーズン見られなかったもの。
「ディフェンスで戦えたし、敵陣でのラインアウトからのモールでしっかり取れたのも成果」と、NO8前川鐘平主将も手応えを口にする。
当然ながら、セットプレーをはじめとするコンタクトエリアでの優劣が勝敗を大きく左右することは間違いないだろうし、極上のフィジカルバトルが堪能できそうだ。
残り4試合は10月1日、日曜日のデイゲームとなる(いずれも13:00)。
昨季の覇者でレッドカンファレス首位(全勝)のサントリーは山梨中銀スタジアムでNTTドコモレッドハリケーンズと対戦。
昇格チームながら、ここのところ3連勝と勢いに乗るNTTドコモは当然ながら「失うものは何もない」チャレンジに打って出てくるのは確か。
王者が受けに回るようだと面白い展開になる。
ホワイトカンファレンスで全勝を守るパナソニック ワイルドナイツはひとめぼれスタジアム宮城でNTTコムと対戦。
共にパワーだけではなく、スキルフルなプレーを随所に散りばめながらトライまで持っていく力があるだけに、エンターテインメント性十分なアタッキングの応酬も楽しめそう。
新潟・新発田市五十公野公園陸上競技場ではクボタ – トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦、福岡・グローバルアリーナスタジアムでは宗像サニックス – 近鉄ライナーズ戦が予定されている。