トップリーグ 2017-2018 第2節 レポート(NTTコム 25-14 東芝)
ジャパンラグビー トップリーグ 2017-2018 第2節
2017年8月25日(金)15:00キックオフ/東京・秩父宮ラグビー場
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 25-14 東芝ブレイブルーパス
東芝ブレイブルーパス
瀬川智広監督
「結果が非常に残念でした。東芝としては今までの自分たちの前に出るディフェンスをやりましたが、裏のスペースを突かれてしまいました。アタックに関しては、あれだけボールを落とせば、攻撃の機会はなく、お互い暑い中でやっていて、われわれがミスをしてしまい、NTTコムさんは少ない得点のチャンスをしっかりとものにされた、そこの差であったと思います」
──暑いこと、ボールが滑ることは想定して準備されてきたと思うが、ここまでハンドリングエラーが多くなったのは(一言で)?
「下手であったためです」
──ディフェンスについて、先週は非常に自信を持った試合をされて、今日もある程度アタックでミスがあってもディフェンスで崩されなければ負けはしないという認識だったと思うが、今日はどの辺りが問題だったのか?
「相手にキックを上手く使われた面もありましたが、戻ってくることのできる選手がしっかり戻っていないなど、選手たちが疲れている中でやるべきことを徹底できていないという甘さの部分があります。アタックも同じで、リーチ マイケル選手が抜けたときに誰もサポートにつけない、逆にNTTコムさんではトライチャンスに上がってくる人数が多かったことなどを考えれば、選手、スタッフ、チームとしての甘さがあるのではないかと思います。次戦まで一週間しかありませんがしっかり直して準備したいと思います」
──先週、HIA(Head Injury Assessment/脳振盪の確認のための一時退出。最大10分間)でケアを受けたリチャード・カフイ選手の状況は?
「まだ調子が戻っていません」
湯原祐希ゲームキャプテン
「自分たち選手間で話しているのは、去年と違ってレベルアップしている自信がありますが、アタックなどであれだけミスをして自分たちの形ができなければ、あのような展開になってしまいます。アタックのミスが全部自分たちのスタイルを崩してしまった、それに尽きると思います」
──ベテランの経験値の高い選手が多くいる東芝にしては、これだけのウエットな試合コンディションの中でのパスなどに不安があったかなと感じたが、その要因は?
「立ってつなごうというところでのつなぎの部分であるとか、一番の要因は最初のボールタッチでのノックオンが多いので、自分たちのスキルが関係してくる部分に要因があると思います」
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
ロブ・ペニー ヘッドコーチ
「一週間前の試合は残念な結果でしたが、この一週間良い練習ができ、強い東芝さんに勝てて良かったです。先週と比べて今回の試合の入りが良く、最初からのプレーで自陣からアタックしました。今週は、アタックのメンタリティをもって勝負しようということでしたが、最後は東芝さんが疲れた状況でNTTコムがアタックでき良かったです」
──選手のスキルについては?
「コーチから選手にはしっかりアタッキングメンタリティを教えています。細かくは、栗原徹スキルコーチがいろんなスキルドリルを作っており、選手のスキルレベルが上がっています。3〜4年連続でのスキルコーチングによって、皆のスキルレベルが高いので、今の状態でワイドに運ぶことや、タイトフォワードやインサイドバックスのハンドリングもできています。ミスは起きますが安定したプレーを目指したい」
金正奎キャプテン
「まずは、勝てて本当に良かったです。勝因は80分間全員がNTTコムのシステムを信じ、ハードワークしたことに尽きます。何か特別なことをしたわけではありません。80分間一人一人が、1パーセントでも相手を上回ろうとしたことが今回の結果につながりました。先週と大きく違うところです。全員が試合のスタートから終了まで集中力を切らすことなくプレーできたのは、素晴らしいことです。チーム全員のことを誇りに思います。次の試合が続くのでリカバリーして切りかえ、良い準備をして、コンスタントにこのパフォーマンスが出せるようなチームを目指したい」
──どのような部分でしっかりしたプレーができたのか?
「この一週間、シェープでアタックする、孤立しない、個人でアタックしない、ユニットで走る、ということをすればミスも少なくなりボールもキープできることをフォワードに落とし込みました。東芝さんは単発で来たので相手にプレッシャーをかけることができました。誇りに思ったのは、お互いミスはありましたが、イーブンボールへの働きかけが東芝さんを上回っていたため差が出ました。練習で言い続けてきたことが、このグラウンドで体現できたことが大きいです」
──相手に攻められている時間も多かったが?
「東芝さんはフィジカルなチームで、ハーフの小川高廣選手を中心にかきまわしてくるアタックをしてくるので、タックルした後はすぐ立って、ディフェンスの人数が減らないよう落ちついてプレーすることをコーチからも言われています。しっかりコミュニケーションも取れていました。前半、相手に対し受け身になる部分もありましたが、後半に修正でき素晴らしいディフェンスができました」
──勝因は?
「全員の勝ちたいとの思いが相手を上回り、態度、プレーに出てきたところが大きい部分を占めていると思います
──相手をどのように分析していたか? どの程度予測通りであったか?
「東芝さんはセットプレーから非常にプレッシャーをかけてくるチームで、小川選手を中心にフォワードから前に出て、強いバックスに回し、ストレート、ストレートにどんどんアタックしてくるため、一対一にならないようインサイドを切らずにアウトサイドもカバーするなど、二人が面でしっかり守ることを考えました。前半、何回かスクラムで上手くいかないことがありました。先週のリコー戦でもそうでしたが、今回はそのときよりも早く前半途中で修正できました。フロントローやフォワードのパックが成長したところです」
──どのように修正したのか?
「フッカーの三浦嶺選手を中心に一度ハドルを組んで修正しました。特別なことではなく、メンタリティを重視し、8人がスクラムファーストで組めたことです」
──高橋真弓レフリーがトップリーグ初の女性アシスタントレフリーを務めたことについては?
「日本のラグビー界にとって素晴らしいことだと思います」