トップリーグ 2016-2017 weekly preview:第6節編
ヤマハ発動機はSO立川理のホームタウンでクボタと対戦
ラグビーマッド花園、熊谷にもトップリーグシーズン到来
text by Kenji Demura
全15節のちょうど3分の1に当たる5節が終了した今季のトップリーグ。
ショートブレイク明けだった前節では、首位を行くヤマハ発動機ジュビロと“復活”サントリーサンゴリアスの全勝組が順当に勝ち星を伸ばす一方、3勝1敗だった5チームのうち3チームが敗れるなど、中盤戦に向けた再スタートに成功したチームとつまずいたチームの明暗が分かれるかっこうとなった。
序盤第5節までを終えた時点での順位は以下のとおり(カッコ内は勝点)。
1. ヤマハ発動機ジュビロ 5勝(24)
2. サントリーサンゴリアス 5勝(22)
3. 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 4勝1敗(19)
4. 宗像サニックスブルース 4勝1敗(16)
5. パナソニック ワイルドナイツ 3勝2敗(15)
6. トヨタ自動車ヴェルブリッツ 3勝2敗(15)
7. NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 3勝2敗(13)
8. 東芝ブレイブルーパス 3勝2敗(13)
9. 近鉄ライナーズ 2勝3敗(9)
10. NECグリーンロケッツ 2勝3敗(9)
11. クボタスピアーズ 2勝3敗(9)
12. リコーブラックラムズ 2勝3敗(9)
13. コカ・コーラレッドスパークス 1勝4敗(7)
14. キヤノンイーグルス 1勝4敗(6)
15. 豊田自動織機シャトルズ 5敗(2)
16. Honda HEAT 5敗(2)
前節のリコー戦で今季4度目となる勝ち点5を獲得して首位をガッチリとキープしたヤマハ発動機。今節は奈良・天理親里ラグビー場でクボタと対戦する(9日13:00)。
リコー戦では、11月のリポビタンDチャレンジカップ2016およびリポビタンDツアー2016に向けた日本代表スコッド入りも果たしたFL三村勇飛丸主将が体調不良のため欠場したが、「キャプテン不在でもチームがまとまることができた」(HO日野剛志副将)という一体感かつ安定感抜群のラグビーで終始圧倒。
看板のスクラムこそ、グラウンド状況なども影響して、「圧倒できるまでに至らなかった」(同副将)ものの、「そこも伸び代。各チーム工夫してくるが圧倒できるようにしていきたい」と、さらなる快進撃へ向けて慢心は見られない。
対するクボタを率いるSO立川理道主将(奈良・天理市出身)にとっては、故郷に錦を飾る一戦となる。
「ホームタウンでいますごく調子のいいヤマハ発動機と試合できるのは幸せなこと。真っ向勝負して勝てるとは言い切れないかもしれないが、しっかり工夫して、逃げずに体張りながらクボタらしいラグビーをしていきたい」
日本を代表するラグビー選手にまで上り詰めた立川主将の凱旋ぶりは見逃せない。
もうひとつの全勝チームであるサントリーは、今季の昇格チームながら4勝1敗と台風の目どころではない躍進ぶりを続ける宗像サニックスと対戦する(長崎市総合運動公園 かきどまり陸上競技場=8日14:00)。
両チームともに、自分たちのアタッキングラグビーにこだわりながら、後半、相手を圧倒する試合が続いているだけに、最後まで目の離せない熱戦になること請け合いだろう。
4週連続で九州での試合となる宗像サニックスの「春から負荷のかかる場所すべてで走りこんできた(藤井雄一郎部長兼監督)というランニングスタイルがサントリーを追い詰めて地元ファンを熱狂させるような展開になれば、ブルースの強さは本物と言っていいだろう。
鉄人LO大野の地元・福島県では東芝 – Honda戦
関西圏では、8日、大阪・東大阪市花園ラグビー場が今季初開催を迎える。
当然のごとく、近鉄、神戸製鋼という関西を本拠地とする人気チームが揃い踏み。それぞれトヨタ自動車、リコーを迎える(近鉄 – トヨタ自動車=11:45、神戸製鋼 – リコー=14:00)。
前節では、近鉄が実に13年ぶりという東京・秩父宮ラグビー場での勝利をものにし(対クボタ=20—29)、一方、宗像サニックスと並んで1敗をキープする神戸製鋼も豊田自動織機を41—5で圧倒するなど、両チーム共に勢いに乗っているだけに、「関西のチームらしい勢いを前面に出した」(近鉄・PR豊田大樹主将)見ていて楽しいラグビーで盛り上げてくれそうだ。
関東圏では今節は8日に埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われるキヤノン – 豊田自動織機(11:30)、パナソニック – NEC(14:00)の2試合のみの開催となる。
序盤戦で早くも2敗を喫した王者パナソニックは、前節ではNTTコムに42—14で大勝したものの、SOベリック・バーンズが肩の負傷で退場。その一方で、ゲームキャプテンを務めたWTB北川智規、CTB林泰基などベテラン勢が存在感を示した。
BK陣に限ってもWTB福岡堅樹、WTB/FB藤田慶和、CTB森谷圭介といった新顔の台頭もあり、どんな布陣で中盤戦以降を戦っていくのか、上位浮上への鍵を握る試合となりそうだ。
この熊谷シリーズ、現在、2019年ラグビーワールドカップに向けて改修作業に入っているラグビー場ではなく陸上競技場で行われるので、慣れ親しんだラグビーファンの方々もご注意を。
前節、宗像サニックスに後半無得点に抑えられる完敗を喫した東芝は福島・いわきグリーンフィールドでHonda HEATと対戦(9日13:00)。
38歳ながら再び日本代表スコッド入りしたLO大野均(福島県郡山市出身)にとっては絶対に負けたくない凱旋試合となる。
また、鳥取のコカ・コーラウエストスポーツパーク陸上競技場では前節パナソニックに完敗したものの何とか上位陣に踏みとどまりたいNTTコムと、1週間前に今季初勝利を挙げて勢いに乗るコカ・コーラの対戦が予定されている(9日13:00)。